X線天文衛星「ひとみ」に異常、空中分解? 軌道に影響も
IT・デジタル
科学・宇宙
注目記事

X線天文衛星「ひとみ」は2月17日に打ち上げられたばかり。現在は、搭載した各機器が宇宙空間で正しく動作するかを確かめる「初期機能確認」を行っている段階だった。
しかし26日16時から、衛星の状態を確認できない状態が発生。通信不良の原因は不明で、短時間しか衛星からの電波を受信できない状態になっている。
27日深夜に入り、米国国防総省の「戦略軍統合宇宙運用センター」(Joint Space Operations Center:JSpOC)の公式Twitterアカウント「@JointSpaceOps」は、「2 breakups」として、「ASTRO H(41337) @~0820z, 26Mar-5 pieces」とツイートした(もう1機は「SL-12 R/B」だが関連性はない模様)。
またハーバードスミソニアンセンター所属の天文学者Jonathan McDowell氏(@planet4589)が取りまとめたデータによると、「ひとみ」の軌道周期に大きな異常が起きたことがわかる。
JSpOCのツイートやデータを見ると、「5つの部品が飛び散った」というより「5つにわかれ空中分解した」という状況に思える。本日中にもJAXAから続報があると思われるので、早く現状が明らかになることを望むばかりだ。
※[追記:2016-03-28]
JAXAでは現状を調査中。通信不良の原因については不明で、衛星の状態を確認できない状況が続いているとのこと。16時現在、通信は回復していない。また、米国JSpOCが、「衛星が複数の物体に分かれている可能性がある」と公表したことについても、「衛星が複数の物体に分かれている」のか「衛星の部品が、複数飛び散った」のか「他の物体が、衛星の回りに浮いている」のかについて、それぞれの可能性を踏まえ、状況を確認中だとしている。
※[お詫びと訂正:2016-03-28]初出時の記事タイトルに、誤解を招く表現がございました。お詫びして訂正いたします。
《冨岡晶》
特集
この記事の写真
/
関連リンク
関連ニュース
-
今日から天気予報の精度が向上! 「ひまわり8号」の活用がスタート
IT・デジタル -
100万円以下の人工衛星キット「ARTSAT KIT」が販売へ
ブロードバンド -
X線天文衛星「ひとみ」、軌道計算で所定の軌道への投入に成功を確認
ブロードバンド -
H-IIAロケット30号機の打ち上げ成功…成功率96.6%に
ブロードバンド -
JAXA、打ち上げ成功のX線天文衛星を「ひとみ」と命名
ブロードバンド -
ソフトバンク、通信衛星を利用したLTEの中継に成功
ブロードバンド -
X線天文衛星を搭載したH-IIAロケット30号機打ち上げ、2月17日に再設定
ブロードバンド -
北朝鮮がミサイル発射、首相官邸「重大な挑発行為」
ブロードバンド -
超小型衛星キット、40万円で販売開始……打ち上げ費用は別
ブロードバンド -
全国26火山の衛星画像を提供開始……防災から教育&観光利用まで
エンタープライズ