「至福」旅するレストラン電車、西武線に登場
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「52席の至福」は、池袋線・西武秩父線の飯能~西武秩父間などで運行されている4000系電車の4両編成1本(4009編成)を、「全席レストラン車両」に改造した観光電車。車両番号は改造前と同じで、池袋線飯能方・新宿線西武新宿方から順に1号車が4009、2号車が4109、3号車が4110、4号車が4010となっている。走行装置は改造前とほぼ同じだが、車体の内外装は建築家の隈研吾さんがデザインを担当し、大きく変わった。改造工事は総合車両製作所(J-TREC)が行った。
外装は西武線の代表的な観光地とされる秩父の四季と、秩父や武蔵野を流れる荒川の水を表現。1号車は「『春』芝桜、長瀞の桜」、2号車は「『夏』秩父の山の緑」、3号車は「『秋』秩父連山の紅葉」、4号車は「『冬』あしがくぼの氷柱」のイメージでデザインしたという。ロゴマークは秩父の自然をトランプの柄に見立ててデザインした。
車内は1号車が多目的スペース車で、2号車と4号車は食事も楽しめる座席車(オープンダイニング)、3号車は厨房車になる。改造前の定員は4両編成で522人(うち座席264人)だったが、「52席の至福」は愛称の通り座席のみの52人とし、2号車と4号車に各26席を設けた。
オープンダイニングの2・4号車は、大型テーブル付きの4人席と2人席を設置。各席の間にはデッドスペースも設けてゆったりとした配置になった。内装には沿線の伝統工芸品や地産木材を一部に用いており、2号車は天井に柿渋和紙を使用。4号車の天井も西川材が使われている。厨房の3号車はクローズドキッチンとオープンキッチン、バーカウンターを配置し、天井に杉板を使用している。
多目的スペースを設けた1号車は、さまざまなイベントに対応可能。多目的トイレと男性用トイレも設置した。列車の出発後と到着前に放送する車内チャイムは、音楽プロデューサーの向谷実さんが作曲した。
車内では埼玉県の食材を中心に、埼玉県産の牛肉をテーマにした料理を提供。列車の運行時刻にあわせ、「ブランチコース」と「ディナーコース」の2種類が用意される。総合監修は日本料理店「つきぢ田村」三代目の田村隆さんで、和食を「La BOMBANCE」オーナーシェフの岡本信さん、洋食を「Restaurant La FinS」オーナーシェフの杉本敬三さん、中華を「海鮮名菜 香宮」料理長の篠原裕幸さんが、それぞれ担当する。
「52席の至福」は4月17日から運行開始。土・日曜と祝日を中心に、池袋・西武新宿~西武秩父・本川越間で運行される。基本的な運行時刻は、ブランチコースが(A)池袋10時50分発~西武秩父14時00分着、(B)西武新宿10時45分発~西武秩父14時00分着、(C)西武新宿10時45分発~本川越13時15分着。ディナーコースは(D)西武秩父17時40分発~池袋20時00分着、(E)西武秩父17時40分発~西武新宿20時00分着、(F)本川越17時15分発~西武新宿20時00分着になる。
一人あたりの旅行代金は、ブランチコースが1万円、ディナーコースが1万5000円で、予約は2~4人単位になる。現在は6月26日運行分までの予約を受け付けているが、専用予約サイトによると、ブランチコースは満席の状態(4月14日14時50分時点)だ。
西武鉄道、52席だけの「至福」観光電車を公開…定員10分の1に
《草町義和@レスポンス》
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