風力発電施設のバードストライクを映像で自動検知する新システム
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
同システムは、風力発電施設に衝突する鳥類やコウモリ類を赤外線カメラにより自動で検出し、解析結果及びカメラ映像を無線で伝送するシステム。日本電業工作の長距離無線LANシステム「FalconWAVE(R)2.4G」を採用することで、カメラ映像を最大20km離れた陸上受信点まで伝送することができる。
風力発電施設は、海上などに設置されることも多く、これまでは目視でバードストライクを確認する必要があり、維持・管理の面で大きな負担となっていた。
同システムでは、2か所の監視ポイントから赤外線カメラで発電設備を撮影&映像を集約し、LinkProの「鳥類検出ソフトウェア」で解析する。解析結果及びカメラ映像の海上伝搬に関しては、海面反射などによるフェージングに強い日本電業工作の「FalconWAVE4.9G-MPプラス」を使用している。システム全体の監修は、日本気象協会が担当。
海上での無線伝搬は陸上に比べ海面反射によるフェージング現象などにより長距離伝搬が困難とされているが、「FalconWAVE4.9G-MPプラス」は通信の安定性に定評のある4.9GHz帯を利用しており、天候に左右されず安定した通信を確保できる。またMIMO伝送方式により、海上のような激しいフェージング下でも長距離通信を実現する。
風力発電施設に衝突して死亡する鳥類やコウモリ類については、草木によって隠れたり、死骸を食べるスカベンジャーによって持ち去られたりするために、その実態調査は困難とされてきた。本システムの開発により、鳥類などの衝突の実態調査だけでなく、風力発電施設付近の鳥類などの挙動の実態把握にもつながると期待されている。
《防犯システム取材班/小菅篤》
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