熊本出身の高良健吾「やっぱり不安なんです」
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映画『蜜のあわれ』は室生犀星の幻想小説を原作に、老作家と金魚の少女のやり取りがコミカルに展開する。高良さんは、幽霊、そして回想シーンで登場する芥川龍之介を演じており、この日は老作家役の大杉漣、石井岳龍監督も登壇した。
最初に挨拶に立った石井監督は、今回発生した熊本を中心とした地震について「これから推移を見守り、自分に何ができるかを見極めていきたい」と語る。大杉さんは、この日の午前に電話で高良さんと話をしたそうで「僕が『どうする、高良くん?』と聞いたら、力強く『こういう時だからこそ、舞台に立ちたい』と言ってくれて、本当は僕が言わなきゃいけない言葉をもらって背中を押されました」と語った。
高良さんは、久々に更新した自身のブログでも、故郷に思いをはせ、現地にすぐに行くことができない歯がゆさをつづりつつ、タイミングを見極めての支援を誓っていたが、この舞台挨拶でも「地元が大変なことにはなっているんですけど、だからといってこの舞台に立たないという選択肢はなかったです。こっちでしかできないこともあるし、あっちでしかできないこともある。自分に与えられた場所はここなので」と気丈に語った。
終盤の報道陣向けの写真撮影時には、大杉さんが高良さんに耳打ちし、普段は報道陣のみが許可される撮影の機会を一般の観客にも開放。映画はもちろん、高良さんの言葉がより多くの人々の目に触れるようにという大杉の心遣いだったが、高良さんは「やっぱり不安なんです。本当は」と悲痛な表情で心情を吐露。そして「みなさんに少しでも(被災地のことを)気にかけていただければ…何かを思ってくださるだけでいいので」と呼びかけた。
『蜜のあわれ』は現在公開中。
熊本出身の高良健吾「こういう時だからこそ…」舞台挨拶登壇
《text:cinemacafe.net》
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