多くの命を救うため……。“初めてでも使える”を追求したAED
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
特徴は“初めてでも使える”をコンセプトにしている点で、必要な操作はわずか3ステップ。本体のフタを開けると自動で電源ONとなり、除細動パッドを貼り付けると「AED」による処置が必要な場合は、「ショックボタン」が点滅し、操作が可能となり、あとは音声ガイドに従って「ショックボタン」を押すだけとなる。
除細動パッドを貼り付けると、心電図の測定を始め、「STAR Biphasic」という技術により、最適なエネルギー量に調整して電気ショックを与えることができる。電気ショックを行う前に心臓の動きが戻った場合には、「ショックボタン」は点滅しないので、利用者が迷いがちな電気ショックをするか、しないかの判断を手助けしてくれる。
また、AEDには欠かせないセルフチェック機能だが、毎日、バッテリーと内部回路、除細動パッドのチェックを行い、さらに毎週、微弱充電状態での放電テスト、フル充電状態での放電テストが自動で行われ、問題があった場合には、本体上部の取っ手付近の表示が赤色(通常時は緑色)に変わり、同時に断続的なピープ音を発するので、問題が起きたタイミングで修理やサポートを依頼することができる。
ちなみに同社のパンフレットに記載されていた「AHA 心肺蘇生と救急心血管治療のための国際ガイドライン2000」「救急蘇生法の指針2010(市民用)」「総務省消防庁 統計資料(H26年)などの統計を元にしたデータによれば、心停止から電気ショックを行うまでの時間が早ければ早いほど、生存退院率は高くなるという。
実際、心停止から3分未満で電気ショックによる蘇生措置を行った場合の生存退院率は70%以上なのに対し、救急車が到着するまでの平均時間である8.5分まで蘇生措置を行わなかった場合は、生存退院率は20%以下に下がってしまう。
また、心停止から3~4分以上経つと脳に深刻なダメージを与える可能性も高くなり、AEDの設置とそれを迷いなく使える勇気は、非常時には極めて重要になる。
《防犯システム取材班/小菅篤》
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