「MVNOの潮目が変わった」楽天モバイルの新たな事業戦略とは
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「LTEという言葉が一般に普及してきたいま、同じように“格安スマホ”や“MVNO”というキーワードも浸透してきた」と切り出した平井氏は、「モバイルインターネットが私たちの生活基盤に根付いてきた証拠。今後MVNOはさらに進化していくだろうし、そのなかでも風雲児と呼ばれる楽天モバイルは積極的にいろいろなことにチャレンジしていく」と意気込む。
年初に発表した「楽天でんわ」向けの音声通話定額サービス「5分かけ放題オプション」が大きな反響を得たという。その強い手応えを平井氏は「MVNO事業の潮目が変わったほど」と表現した。「大手3キャリアとの比較で、楽天モバイルを検討いただけるお客様が現れてきた。楽天モバイルがMNO、MVNOでもない新しい立ち位置を獲得したと感じている」という平井氏。通話SIMサービスの契約数は今年1月の62%から、5月には新規申込みの80%にまで到達した。楽天のスマホをメインスマホとして契約するユーザーも多いという。3月から始まった楽天スーパーポイントのプログラムも顧客拡大の背中を押した。
「スマホは私たちの生活に欠かせないツールだ。もはやスマホそのものが身体の一部であり、骨のようなもの。そんな大事なスマホを基点にもっと楽しい生活を楽天モバイルが積極的に提案していきたい。リーズナブルな料金で利用できるよう、キャリアのような過剰サービスはしない。まったく新しい立ち位置から、まったく新しい顧客サービスを創出していく」とコメントした平井氏は、「でも道のりは平坦ではないだろう」と続ける。理想の実現には、日本の通信業界の仕組みそのものが変わる必要もあると指摘する。またMVNO事業者間での競争が熾烈化し、淘汰も始まるだろうと見通しを語る。そのなかで、楽天モバイルとして継続的にさまざまな分野で進化を追求して行くことの必要性を強調した。
またモバイル事業だけでなく、楽天コミュケーションズや楽天エナジーなど、生活インフラやコミュニケーションに関連するグループ会社との連携も強めていくとした。「サービスを一体化しながら、お客様のコニュニケーションまわりをより円滑にしていけると思う。来年はガス事業の自由化も始まるので、スマートライフに求められる新しい枠組みのサービスを提案していきたい」と語った。
《山本 敦》
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