【最新レポ】10月発売の「PSVR」、現状の課題とは?
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国内では10月13日に44,980円(税抜き)で発売されるPS VR。商品内容はVRヘッドセットとプロセッサーユニット、および接続ケーブル&アクセサリ類となっています。ハードウェアだけでなく、発売と同時にPS VR専用ソフト『THE PLAYROOM VR』もPlayStation Storeで無料配信。秋山氏は「ユーザーにはPS VRでどんな体験ができるか知って欲しい。開発者にはPS VRのゲーム作りで参考にして欲しい」と語りました。
ディスプレイは5.7インチのOLED(有機EL)方式を採用し、フルHD(1920×RB×1080)ピクセル、リフレッシュレート90/120Hz、視野角は約100度、表示遅延も18ms未満を実現。6軸検出システム(3軸ジャイロ・3軸加速度)を備えており、PS4にはHDMI+USB、テレビにはHDMIでそれぞれ接続されます。3.5mmヘッドフォンジャックに加えて、内蔵マイクも備えており、ボイスチャットなどに標準で対応します。
そんなPS VRのコンテンツ作りで最も重要なのは「プレゼンス(実在感)」。没入感を越えた、仮想空間内に実際に存在すると思わせる力のことで、VR特有の現象です。しかしプレゼンスはとても脆く、違和感を感じさせる要素をできるだけ取り除くことが重要です。SIEではプレゼンスを守るために、「画像」「サウンド」「トラッキング」「操作」「快適さ」「コンテンツ」の6つの要素を大事にしているといいます。
この中核となるのが高解像度・高リフレッシュレートを実現できるOLEDの採用です。もっとも、どんな人でも快適に装着し、手軽に楽しめるといった、スペックにあらわれない要素も重要です。PS4とケーブルで接続するだけで楽しめるプラグ&プレイ要素や、眼鏡をしていても装着しやすいハードウェア設計などです。
他にデュアルショック4やPS MoveをLEDの色でトラッキングする機能、360度さまざまな方向からサウンドが聞こえる3Dバイノーラル機能、電源のオンオフなどの基本操作が手元で行えるリモコンなども用意されています。
プレイヤーとギャラリーが共に体験を共有できるソーシャルスクリーン機能もPS VRが先駆けた機能です。ソーシャルスクリーンにはHMDの画面を表示するミラーリングモードと、まったく異なる絵をレンダリングするセパレートモードがあり、後者では最大5人で1つのゲームを楽しめます。他に2.5メートル先に最大225インチの映像が楽しめるシネマティックモードも搭載。メディアプレイヤーでは正距円筒図法で撮影された動画や写真をパノラマで楽しむこともできます。
秋山氏はそんなPS VRを「安価で、ハードウェア仕様の整合性と統一性が保証された唯一のVR HMD」だと説明しました。すでに市場にはOculus Rift、HTC Viveなどの製品が発売されていますが、ゲームエンジン上でコンテンツが開発されていれば、比較的手軽に移植することが可能です。デュアルショック4やPS Moveといった入力デバイスが用意されており、ソーシャルスクリーンを用いた新しいプレイスタイルも実現できます。
参入企業は国内35社をはじめ、全世界で230社以上。『サマーレッスン(仮)』『バイオハザード7 レジデントイービル』『FINAL FANTASY XV VR EXPERIENCE』『Batman: Arkham VR』『Farpoint』など、大手からインディまで多彩なゲームが予定されています。開発を支援するゲームエンジン・ミドルウェアも数多く対応しており、GTMF会場でもUnity、エピックゲームズ、CRI・ミドルウェアで製品デモが行われています。
6月に行われた初回の予約も予想を超える好調ぶりで、追加予約に備えて現在、最大限の準備を進めているとのこと。体験会もソニーストア大阪や一部量販店で開催されており、いずれも良好なフィードバックが得られているとのことでした。7月16日から8月31日までお台場・フジテレビで開催中の「お台場みんなの夢大陸2016」で、「THE PLAYROOM VR『めざましテレビ』特別バージョン」「月9『好きな人がいること』オリジナルミニドラマ」の体験会も行われています。
このほか「シミュレーター」「コミュニケーション・コミュニティ」「デザイン・建築」「教育・研究」「音楽・ライブイベント」「バーチャルトラベル」「スポーツ・イベント観戦」など、ゲーム以外にさまざまな可能性が広がっており、実際に異業種からの参入や問い合わせを多くいただいていると説明されました。
このように好調なPS VRですが、秋山氏は今後の課題として「品質の高いコンテンツが命」だとします。そのためにはノウハウ集のシェアや、ディベロッパーとの情報交換が欠かせないとコメント。SIEとしても最大限の支援を行っていきたいとしました。一方ユーザーに対しても良好なコミュニケーションを保っていきたいとのこと。体験機会の創出や、偏見をもたらさない、明るくてソーシャルなイメージ作りにつとめていくとのことです。
「実際にどれだけ説明しても、体験してもらわなければVRは価値がわかりません。『百聞は一見に如かず』と言われますが、『百見は一体験に如かず』の精神で、これからも進めていきたいと思います」と語り、講演が終了しました。
【レポート】発売が近づくPSVR、その現状と課題をSIEが語る
《小野憲史@INSIDE》
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