セレブな夏の真っ赤なビール電車!広島電鉄「TRAIN ROUGE」に乗ってみた!
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トラン・ルージュは、貸切での乗車体系で定員は26名、129,800円。1人あたま5000円ほどの計算だが、特製弁当がついてビールが飲み放題なので別段高いというほどでもない。この日は広島のセミプロカメラマンたちが集まる「ひろしま写真部」の懇親会として借り切った。
出発の広島駅前電停に停車するトラン・ルージュは、真っ赤な車体が目を引く。「赤」といえば目のない広島県民がこぞって記念撮影をする中を、ちょっと鼻高々に乗車すると、中は思っていたよりもずっと豪華なことに驚かされる。「お座敷列車」のような電車を改装したもの、というよりも、まさに「動くパーティールーム」。黒でシックに統一されたインテリアに、ガラスのランプと、まるでヨーロッパの特急の食堂車のようだ。その洒落た空間に、歓声をあげた女子達が意気揚々と自撮り撮影を始める。
広島駅を出発し、途中20分のトイレ休憩を挟みながら市内を廻る、約100分のコースがスタート。
まずは乗務員が専用のビアサーバーからなみなみとついでくれるビールを片手に乾杯。ゴトンゴトン、という電車ならではの音は時折するものの、思ったよりも揺れなどもなく、車内を自由に歩き回っても危ないことはない。さっそく陣取った席で特製弁当を見ると、広島熟成鶏のレモン塩唐揚げ・音戸ちりめん&広島菜ごはん煮穴子添え・瀬戸内海産小いわしの南蛮漬けなど、広島の海の幸山の幸をふんだんに使ったボリュームのあるもの。飾り付けも洒落ていて味も上々、冷え冷えの生ビールとのいうことなしのコラボレーションを堪能していると、世界遺産 原爆ドームが見えてくる。真っ赤な路面電車の中で明らかにビールを楽しんでいる姿が大きな窓から丸見えのため、観光客や道行く人に手を振られたり写真を撮られたりと、観光気分にそこはかとない優越感、おまけに飲み放題とあれば、気分は絶好調だ。
広島は川と橋の街だ。ただビルが立ち並ぶ型の都会と違い、一度原爆に壊されながらも城下町の風情をいまだ残す広島は、電車からの水と橋の景色も美しい。「この辺に昔は……」そんな話を年配の人に聞き、ビールを飲み交わしながら、ゴトンゴトン、と電車はいくつもの橋を渡る。
優雅なのにどこか懐かしい100分の旅の終点は再び広島駅。降り際には電車柄のドロップス缶のお土産ももらえる。ちょっとした店で大人数でビールを飲むよりも断然楽しめる、広島を最大限に満喫できる優雅なビール電車トラン・ルージュの旅だった。
《築島 渉》
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