天気予報に革命? スパコン「京」活用でゲリラ豪雨予測
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現在のスーパーコンピューターを使った天気予報シミュレーションは、日本全体を縦横1キロより大きなマス目に分割し、1時間ごとに新しい観測データを取り込みながら行っている。しかし、ゲリラ豪雨の場合、数分の間に積乱雲が急激に発生・発達するため、1時間の更新間隔では予測が困難だった。また、1キロより粗い解像度では、ゲリラ豪雨を引き起こす積乱雲を十分に表現できなかった。
そこで理研を中心とした国際共同研究グループは、理研のスーパーコンピューター「京」と、「フェーズドアレイ気象レーダ」という最新鋭の気象レーダを活用し「日本全体を100メートル単位の細かなマス目に分割し、30秒ごとに新しい観測データを取り込んで更新する」という、これまでとは「桁違いに高精度」な天気予報シミュレーションを実現し、実際のゲリラ豪雨の動きを詳細に再現することに成功した。
シミュレーションと実測データを組み合わせる「データ同化」という天気予報の精度を左右する手法に、次世代の高精細シミュレーションと高性能センサを組み合わせることで、「従来とは桁違い」のビッグデータを生かす「ビッグデータ同化」を実現した。解像度100メートルで30秒ごとというデータを生かすデータ同化は、この研究が初めてだという。
今後は、「ビッグデータ同化」の計算に約10分を要するところを、実用化に向けて30秒以内に処理できるようデータの転送や計算の高速化を図ることが課題だという。この技術を生かすことで、将来、これまで想像もつかなかったような超高速かつ超高精細な天気予報ができるようになり、天気予報に革命をもたらすことが期待されている。
研究成果は8月末にアメリカの科学雑誌「Bulletin of the American Meteorological Society(8月号)」に掲載される予定だ。
天気予報に革命? 理研・阪大らスパコン「京」活用でゲリラ豪雨予測
《外岡紘代》
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