しかし、実際にそうした人たちがどんな視点で見ているのかは第三者には分からない。もしも優れたパフォーマンスをする人の視点を第三者が共有できるのであれば、運転技術が優れた人はどこを見て運転しているのか、品質管理などの現場でミスが少ない人はどこを見ているのかなど、安全性や作業効率の向上も不可能ではない。
そんなコンセプトを形にしたのが、トビー・テクノロジーが「SENSOR EXPO JAPAN」に出展したアイトラッキング(視線計測)技術とそれを製品化したウェアラブルグラス「Tobii Pro グラス 2」だ。

ウェアラブルアイトラッカーといえる「Tobii Pro グラス 2」は、前面部にフルHDカメラを搭載し、人間の視野に近い映像を撮影。レンズの内側に付いたセンサーで目の動きを計測し、装着者が今どこを見ているのか点で表示することができるのだ。

またジャイロセンサーや加速度センサー、録音マイクも備えているので、装着者がいる現場の状況をより的確にとらえることができる。
ライブビューイングはもちろんのこと、付属のレコーディングユニットに保存した視線データを、専用の解析ソフトウェアを介することで視線のヒートマップ化表示なども可能となる。

そのため、工場や作業現場での安全性や作業効率の向上、運輸・輸送業界での安全運行をサポートツールといった使い方のほかにも、店舗や商業施設における売り場分析やマーケティングへの活用もできる。
また、スポーツなどにおいても、優れたパフォーマンスをする選手がプレー中にどういった視線の動きをしているのかといったデータ取りなども可能だ。
こうしたアイトラッキング技術は、労働人口の減少に伴う熟練者不足が危惧される日本においては、熟練者の視線を可視化&共有できることでの“技術の継承”が可能なため、今後のさらなる進化に期待したい技術の1つといえる。
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