カーテンで初期消火!? 耐熱・消化・防災性能を備えた特殊繊維3選
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
そうした事態に備えて、家庭にも、煙探知機や消火器の設置は進んでいるが、家に燃えやすいものが多いと、延焼を防ぐうえで重要な“初期消火”もままならない。
この課題を解決する製品が、帝人フロンティアの耐熱・消化性能を備えた布商品「プルシェルター」、難燃寝具素材「つきませんい」、担架にもなる難燃毛布「もうたんか」だ。
先だって東京ビッグサイトで開催された「危機管理産業展2016(RISCON TOKYO)」で、その3製品が展示されていたので早速紹介していこう。
■初期消火にも役立ち、避難時は防災頭巾に!
まずは「プルシェルター」だが、カーテンスタイルの製品で、イザという時は軽く引っ張るだけでレールからはずれるフック「プルック」と組み合わせて使用する。
カーテンの生地に使われている「プルシェルター」は、消化性を備えたモダクリル繊維と、耐熱性を備えたアラミド繊維を組み合わせた製品で、例えば、調理中に天ぷら油から火が出た場合でもカーテンを外して火にかぶせることで初期消火が可能。原理としては、火に当たった部分が炭化していくと同時に消化性ガスを放出し、消火する仕組みだそうだ。
さらに火元と違う部屋にいて発見が遅れ、既に室内が火や煙が充満している段階なら、カーテンを外してアタマからすっぽりかぶり、防災頭巾代わりにして急いで避難するといった使い方もできる。
同製品自体は、難燃性が高いので、火の粉や、燃えているものが接触しても、ある程度までは大丈夫だ。
■燃えにくい睡眠環境を作る「つきませんい」
続いて「つきませんい」」は、室内でも特に燃えやすい寝具類の代替え品となる難燃寝具素材。
公益財団法人日本防災協会のデータによると、住宅火災で死者が出たケースでは、寝たばこを原因とした寝具類からの出火がもっとも多く、死者数は144人にものぼるという。
「つきませんい」」は、カネカの「カネカロン」、綿、ポリエステルを特殊混紡した防炎素材で、布団カバー、マットレスカバーなどに用いることで、布団やマットレスの中にある燃えやすい綿に火が移るのを防ぐ。
■担架にもなる防災毛布
ブースではさらに、非常時用の緊急防災毛布「もうたんか」も展示していた。これは、搬送用に手をかけられる取っ手穴を備え、担架として使うことも可能な難燃繊維を使った大型毛布。
搬送される人は袋状の「ストッパー」に足を入れる。普通の担架と違って二人でも搬送できる点が特徴だという。さらに本当に時間がない、人手がない場合は、一人でひきずるのといったこともできる。搬送される人も布で守られているので安心だ。
難燃性と制菌性を備えており、病院や介護施設、衛生状態が不安な避難所でも使えそうだ。
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《防犯システム取材班/梅田勝司》
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