マンホールからはじめる2020に向けたテロ対策 | RBB TODAY

マンホールからはじめる2020に向けたテロ対策

IT・デジタル セキュリティ
「マンホールの防犯・安全対策ソリューション」でのマンホールへのセンサー設置例(撮影:防犯システム取材班)
「マンホールの防犯・安全対策ソリューション」でのマンホールへのセンサー設置例(撮影:防犯システム取材班) 全 4 枚
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 リオ五輪が終了し、2020年の東京オリンピック・パラリンピックに向けて、いよいよ本格的に開催までのカウントダウンが始まった。

 昨今の世界情勢などを考えると、今後、ますます懸念されるのが日本をターゲットにしたテロに対する不安だ。

 日立製作所(日立)は、10月27日、28日の両日、東京国際フォーラムにて、「Hitachi Social Innovation Forum 2016 TOKYO」というプライベート展示会を開催し、その中で、2020年に向けた防犯・セキュリティソリューションを提案していたので紹介していこう。

●マンホールは意外な盲点!?

 至る所に設置されていて、日常生活ではあまり意識することがないマンホールだが、基本的にマンホールは災害時や火災時への備えとして、施錠されていないため、実はさまざまなリスクが隠れている。

 具体例を挙げるなら、マンホール自体が盗難されるリスク、マンホール内に危険物を設置されるリスク、マンホールを経由して建物内への不法侵入やテロ行為を行われるといったリスクだ。

 もちろん警備する側もその辺のリスクは十分に認識しているが、オリンピックのような極めて大規模で、さらには2週間以上に渡る長期間となると、マンホールだけを警備するわけにもいかず、とてもカバーしきれない。

 そうした課題の解決を目指すのが、日立が提案する「マンホールの防犯・安全対策ソリューション」だ。日立グループが持つ、各種センサー&IoT技術をベースに、トミス、イートラスト、シスコシステムズの3事業者と協業する形で、共同開発を進めている。

 システム構成としては、マンホールの内部に開閉状態や有毒ガスの発生有無、水質&水量の状態を検知できるセンサーを設置し、その検知情報をゲートウェイ経由でデータセンターに集約し、異常発生時には、管理者に通知を行うというもの。

 ちなみにデータセンターは、日立システムズのクラウド型遠隔統合監視基盤が使われるので、導入者側としては、自前で新たに管理体制を整える必要がなく、異常の知らせを受けるだけといった運用が可能だ。。

 仕組みとしては分かりやすいが、分厚い金属の塊であるマンホールは、電波を通しにくく、これまでの無線技術では、ゲートウェイまでの通信面で課題があった。しかし、同ソリューションでは、データ通信にLPWA(Low Power, Wide Area)という低消費電力で長距離通信を実現する技術(LoRa WAN、SIGFOXなど)に対応させ、マンホール内に設置したセンサーからのデータ通信を実現している。

 取り付けるセンサーにより、「検知できること」は変わってくるが、まずは、開閉センサーを設置することで、管理者が把握していない開閉を一括で検知できるので、テロ対策の観点では、限られた人員で迅速な対応が可能となる。

 また、日常の中で何らかの理由でマンホールのフタが開いしまった場合、事故防止の観点からも迅速な対応が求められるだけに、開閉状態を一括で管理できるメリットは大きい。

 マンホールのIoT化といえる同ソリューションは、2018年頃の実用化を目指して現在、実証実験を行うなどして、開発中とのこと。適用分野は、官公庁、自治体、電力、通信、ガス事業者、警察などが想定されている。

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《防犯システム取材班/小菅篤》

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