ゲームだけじゃない。 様々なジャンルに広がるVR
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「VR(バーチャルリアリティ)」と呼ばれる新しい市場が注目を集めています。ほんの数年前まではVRを体験するための機器は非常に高価でした。そのため研究機関や大手の企業でしか導入が出来ませんでしたが、今では個人でも購入可能な価格になったことが大きな要因です。2016年、ゴールドマンサックス・グローバル・インベストメント・リサーチは、2025年のAR/VR全体の市場予測を1100億ドル(11兆円)、ソフトウェアは450億ドル(4兆5000億円)と発表しました。
その内、ソフトウェアのジャンルでは、ビデオゲーム116億ドル(1兆1600億円)、ヘルスケア51億ドル(5700億円)、エンジニアリング47億ドル(4700億円)、ライブイベント41億ドル(4100億円)、ビデオエンタテインメント32億ドル(3200億円)、リアルエステート26億ドル(2600億円)などが挙げられています。
ビデオゲーム分野では、2016年10月13日、「プレイステーションVR」がソニーから発売されました。家庭用ゲーム機としては世界で初めてVRを利用したプレイステーションVRは、従来には無かったまったく新しいゲーム体験を生み出すことで大きな話題となっています。
また、日本では大きな市場ではありませんが、海外では「Oculus Rift」や「HTC Vive」といったPCベースのVRゲームも注目されています。こちらはプレイステーションVR以上の性能が特徴です。
グーグルが2016年5月に発表したスマートフォン向けVRプラットフォーム「Daydream」が登場してくると、モバイルVRでのビデオゲーム分野やコミュニケーション分野も活況を呈してくるでしょう。
アミューズメント分野では、カナダに本社のあるIMAX(アイマックス)社が、VR映画やVRコンテンツの体験スペースとして「VRシアター」の開設を発表しています。未来の映画館は、席に座ってヘッドマウント・ディスプレイをかけて鑑賞するようなスタイルになるかもしれません。
全米各地にある遊園地「シックス・フラッグス」では、HMD(ヘッドマウントディスプレイ)を頭部に着けて乗るジェットコースター「The New Revolution」を2016年にオープンしています。一方、ディズニーランドでは世界的に人気のコンテンツ「スターウォーズ」によるアミューズメントVRの開発を発表しました。
このように、ビデオゲームやアミューズメント分野ではさまざまなニュースのあるVRですが、それ以外の分野ではどうでしょうか?
■ビジネス領域でも注目されるVR
コンシューマ(一般消費者)向けとして最初に注目されたVRですが、ビジネス向けとしても活用が期待されています。中でも、一足先に注目されたのが”建築・土木・不動産”分野です。この分野では以前から3Dデータを扱うことが業務の中に取り入れられていたこともあり、VR化の流れも早かったのが特徴です。
具体的なVRの利用方法としては、設計図である3DCADデータをVR化して竣工前の物件の中に入ってイメージを確認したり、販売中の物件の中をVRで内見したりといった用途などです。賃貸住宅のサービスでは、360度映像を使った賃貸物件の内見などを提供している会社も増えてきています。遠く離れた場所の物件をVRを使って内見するといったような時代が、すぐそこまで来ているのかもしれません。
同じく3Dモデルデータを取り扱う「工業・製造」分野では、VR空間の中で3Dモデルを編集するようなソフトウェアも登場してきています。粘土をいじるようにキャラクターや工業製品をデザイン出来る環境として、大きな期待が寄せられています。これらの作業を実現するため、各社から登場し始めているより自然な入力を実現するコントローラーの利用が考えられています。
ヘルスケア分野ではスポーツをより快適に楽しむためのVRエクササイズや精神を整える瞑想などのコンテンツが、スポーツ分野では選手のトレーニングをよりリアルに行うVRトレーニングなども積極的に取り入れられています。2017年はビジネス向けに、さらに多くの分野がVRに登場してくることでしょう。
●プロフィール
沼倉正吾(ぬまくらしょうご)
DVERSE Inc.(ディヴァース・インク)CEO。エックスタイムジャパン株式会社取締役、有限会社ナスカークラフト代表取締役を経て、14年にDVERSE Inc.を設立。バーチャルリアリティに関するシステムやコンテンツの開発を行う。
《沼倉正吾》
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