パンデミック対策!「サーマルカメラ+顔認証」の可能性
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「熱の可視化」というのは、映像監視を行う上では大きな可能性を秘めているが、活用方法などが限定されているイメージもあり、一般的に広く普及するまでには至っていない。
そうしたサーマルカメラの活用例として挙げられるのが、これからのシーズンに本格的な蔓延が懸念されるインフルエンザなどの流行病対策(パンデミック対策)だ。10月末に開催された「テロ対策特殊装備展」のMOBOTIX JAPANのブースでMOBOTIX JAPANのサーマル対応カメラ「M15」シリーズをはじめとする各種ネットワークカメラと、NECの顔認証ソリューション「顔跡/KAOATO」を組み合わせた展示が行われていたので解説していこう。
同展で提案されていたのは、空港や港などでの利用を想定したもので、SARS、ジカ熱、各種インフルエンザなど、爆発的な蔓延の恐れがある流行病の感染者を水際で早期に発見し、知らず知らずに蔓延してしまうことを防ぐことを目的としている。
サーマルカメラで分かることとしては、発熱者の検知。40度近い熱が出ていれば、平熱の人とは明らかな違いが出るのでどの人が発熱しているのかを一目で識別することができる。さらに顔認証と組み合わせることで、発熱者をカメラがとらえた場合に、通知を管理者に送ったり、今現在、どこにいるのかを顔認証を元に施設内の他のカメラ映像から検索できたり、登録者であれば、誰が発熱状態なのかということを迅速に把握することが可能だ。
空港や港などでのパンデミックの水際対策の他にも、高齢者施設や医療施設などでのインフルエンザの院内感染を予防するために、スタッフ通用口に同ソリューションを入退管理システムとして活用すれば、高熱のスタッフを出勤時などに検知し、病状が落ち着くまで静養させるなどの未然の措置も行える。
パンデミック対策というと、どこか遠い話に感じるかもしれないが、高齢者施設や医療施設などでは、インフルエンザの蔓延が入院患者に深刻な影響を与える可能性があるので、サーマルカメラと顔認証を組み合わせた入退管理システムと考えれば、より身近で効果が期待できるソリューションの1つだと言えるだろう。
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《防犯システム取材班/小菅篤》
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