愛犬家にとって「夢のクルマ」が実現!ホンダがInterpetsで初公開へ
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3月30日から開催予定となっている日本最大級のペットイベント「Interpets(インターペット)~人とペットの豊かな暮らしフェア ~」への出展が予定されている。同社はInterpetsの常連と言っていいが、今回の出展は愛犬家にとっては「夢のクルマ」というべき内容になっており、気合の入れようがうかがえる。はっきり言って、ここまでできるのは同社ならではと言えるだろう。担当者に話を聞いた。
■ドッグファーストで企画した
FREED+Dogは、インテリア/ エクステリアに20種類以上ものアイデアや工夫を詰め込んだ乗用車。ホンダアクセス営業部の広報 礒野登希夫氏は「愛犬家の想いを形にしました」と笑顔で語る。自身が、やはり親ばかならぬ“犬ばか”と周囲に言われるほどの愛犬家だ。
ベースとなるFREED+は5人乗りのコンパクトカーだが、FREED+Dogではシートを3席に絞った。乗車できる人数を限定したことで、充分な広さを確保している。礒野氏によれば3頭~4頭の犬を乗せられるスペースはあるとのこと。こうした“ドッグファースト”の考え方が、このほかにも乗用車の細部に散りばめられている。
■アイデアを満載!
犬と一緒にドライブする人ならよくわかっているが、愛犬が自力で車に載るのは意外と大変だ。地面と車との高さ想像以上に高く、何よりも飛び乗るのを怖がりがちなのだ。そんな犬を楽に乗車させるため、大きな「ビルトインスロープ」をワンタッチで引き出せる設計にした。傾斜、幅、表面の素材などは犬の登りやすさを最大限に考慮している。同様に側面のスライドドアを開けた際は、乗り降りに便利で滑りにくい「オートサイドステップ for Dog」が利用できる。
また、ドライブ中はどうしても同乗の愛犬の様子が気になるもの。そんな飼い主に配慮しての後部座席の天井には、ドライブレコーダー付き360度カメラ「d' Action 360」などを搭載。愛犬の様子をナビ画面やスマホ、タブレット等でモニタリングできる。「車内の様子を動画で撮影しておけば、旅行の思い出にもなります」と礒野氏。また愛犬の抜け毛対策として、球体の小型軽量コードレスハンディクリーナー「Orb2」を着脱できるドックを後部座席の壁に設置した。
室内には、大型犬も快適に過ごせる水循環式の「冷暖ベッドfor Dog」、犬が過ごすスペースの温度を確認できる「マルチポイント温度計」、走行中も水がこぼれにくい犬用の「ビルトインウォーターサーバー」などを装備。室内に入れたくない汚れ物や小物が発生したときは、後部ドア付近の「クオーターウインドウボックス」に収納できるようにした。
■進化のヒントは社会問題にあり?
ちなみにホンダでは、2005年の東京モーターショーにも愛犬家仕様のコンセプトカー「W.O.Wコンセプト」を出展している。当時と比較すると、FREED+Dogはどんなところが進化したのだろうか。ここで礒野氏は「10数年前にはまだ顕在化していなかった、社会問題を意識して制作するようになりました」と、やや意外とも思える言葉を口にした。どういうことだろうか。
それは、飼い主だけでなく飼い犬にも訪れている“高齢化社会”の問題だった。「自力で乗用車のステップを登れない老犬は、飼い主が抱きかかえる必要があります。でも身体が大きいと体重もそれなりにあるため、高齢者では持ち上げられません。こうしたことがきっかけで、ペットを連れて乗用車で移動するのが億劫になる、外に出かける回数が減る、というのでは悲しい。2005年以降、そうしたニーズにどう対応できるか、ずっと考えていました」と礒野氏。ビルトインスロープ、オートサイドステップ for Dogの採用などは、そうした意識が元になったものだろう。
現在、ペット市場には犬用の介護用品なども出始めている。礒野氏は「ペットの高齢化問題は一過性のトレンドではなく、これからもますます深刻なものになっていくでしょう」と説明する。また、現在は日本市場に特有の問題のように感じるが、今後はグローバルでも問題が顕在化していくとの見立てだ。
このほか、先の大震災ではペットと一緒には避難所へ行きにくいため、犬と一緒に乗用車で寝起きしている被災者の姿も多く見られた。「日本は震災大国なので、同様のケースはこれからも起こる可能性があります。2005年当時は、愛犬と楽しく乗用車に乗ることを目的にしていました。現在は、10年前にはなかったニーズが出てきており、そうしたことも制作のヒントになっています」と話していた。
同社では、3月30日~4月2日に東京ビッグサイトにて行われる国内最大級のペットフェア「第7回 インターペット~人とペットの豊かな暮らしフェア~」にFREED+ Dogを出展する予定。犬好きが制作した犬好きのためのコンセプトカーとあり、痒いところに手が届く設計や機能性に、来場者の注目が集まりそうだ。礒野氏は「まだコンセプトモデルという形での提案ですが、評判が高ければ今後の商品開発にもつなげていけると思います」と話していた。
《RBB TODAY》
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