■「コントロールセンター」はデザインを一新
iOS 11パブリックベータ版のインストールを終えて再起動すると、パスコード入力の画面から文字が太くなって、少しデザインが変更されたことがわかる。iPhone 5sで試しているせいか、ホーム画面に目立った変化はみられないが、「メッセージ」「電話」「メール」「設定」などアプリを開くと、デザインが「ミュージック」に近くなってトップのタブの文字が大きく表示されるようになっている。「計算機」アプリも数字や演算記号のアイコンが丸く可愛くなった印象だ。探すと確かに「ファイル」アプリが追加されていた。
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ホーム画面を下から上に向かってスワイプすると、デザインを一新した「コントロールセンター」が表示される。iOS 10では3つの画面にまたがっていた機能が1画面にまとめられ、アイコンがびっしりと詰めこまれた。音楽再生のコントローラーや「ホーム」アプリへのリンクまで集合している。便利で良くまとまっているようにも見えるが、音楽再生については、ロック画面には曲送りのボタンやジャケ写などが表示されるが、コントロールセンターからは簡易な再生操作しかできなくなっている。音楽再生のエリアをタップすると、そのまま再生中のアプリに遷移する仕組みだ。
■App Storeは大きく変化
App Storeは特に大きな変化が感じられるアプリだ。コンセプトがApple Musicに近づいて、例えばエディターと呼ばれるスペシャリストが新規のアプリ、または新しい機能などが更新されたアプリの中からおすすめのものをプッシュしてくれる「Today」タブが、iOS10の「おすすめ」と「ランキング」を統合するようなかたちで加わった。Todayの中は「今日のAPP」「親子で遊ぼう」などテーマごとにメニューが設けられているので、探すのも楽しい。魅力的なアプリとの出会いが促進されそうだ。ほかには「ゲーム」アプリのメニューが新たに切り出されている。
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筆者の場合はパブリックベータ版を引退したiPhoneに入れているためか、特に大きなトラブルに困ることは今のところないが、動画配信の「dTV」やメモリ解放アプリなど、これがメイン機だったらふだんよく使っているであろういくつかのアプリでコンフリクトが発生して起ち上がらなくなった。iOS 11では64bit対応のアプリが標準になって、32bitの古いアプリが使えなくなるようだ。いま使っているiPhoneをiOS 11にアップデートしたときに、使えなくなるであろうアプリのリストは「設定」>「一般」>「情報」>「App」からチェックすることができる。
6月下旬に公開されたiOS 11のパブリックベータ版は、現在も最新バージョンの「iOS 11 Public Beta 2(15A5318g)」として更新されている。もし試せるサブ端末が手元にあれば、秋に控える正式版のリリースまで色々と感触を探ってみると良いと思う。