今秋にリリースされるアップルのモバイル向けOS「iOS 11」。iPhoneやiPadで使えるようになったらどんな所がより便利になるのか、既に発表されているiOS11の新機能の要点をテーマごとに整理してみよう。最初は「旅行や出張の時に便利そうな新機能」から。

むかしは旅行に出かけるとなれば、気合いを入れて一眼レフカメラを持参していたものだが、今ではスマホ一本という方も多いはず。スマホに内蔵されているカメラの画質やフォーカス合わせなどの基本性能がぐんと上がったので、仕事の記録としても十分な写真や動画のクオリティをiPhoneがたたき出せてしまう。
■画像サイズが2分の1に!新しい画像フォーマット「HEIF」
写真や動画の撮影をiPhoneに頼れるようになると便利な反面、内蔵ストレージの容量が心配になってくる。大容量のiCloudストレージを併用したり、iTunes経由でパソコンへこまめに写真・動画ファイルをバックアップしておくことが基本的な対処方法だが、そもそも静止画・動画ファイルのサイズが小さくなってくれればいいのにと思ったことはないだろうか。ユーザーの願いがかなって、iOS11からは写真・動画の保存効率がぐんとアップするようだ。
静止画の記録にはJPEGから新しいフォーマットであるHEIF(High Efficiency Image File Format)が採用される。JPEGと同じ画質を保ちながら、ファイルサイズを約1/2に小さくできるという。そして動画も、より圧縮効率の高いHEVC/H.265コーデックに切り替わるので、カメラで記録する静止画・動画のファイルサイズが軽くなり、iPhoneのストレージがゆったりと使えるというわけだ。SNSサービスもiOS11のリリース後から順次新しいフォーマットに対応してくることになると思うが、たとえ未対応のSNSサービスに投稿する場合も、iPhoneの側で従来のファイル形式に変換してくれるようなので安心だ。
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
■「HEIF」対応機種はiPhone 7/iPhone 7 Plus以降
iPhoneで旅の思い出をより手軽に残せる大歓迎のアップデートだが、残念ながらHEIFやHEVC/H.265への対応についてはiPhone 7/iPhone 7 Plus以降の機種からということになりそうだ。今秋前後にiPhoneの買い換えを検討している方は、iPhone 7シリーズ以降に条件を絞っておくほうがよさそうだ。
約3秒間の音声付き写真が撮れるLivePhotosも、ループ再生や長時間露光(バルブ撮影)のようなエフェクト機能が追加され、表現力に磨きがかかる。さらにiPhone 7 Plusに搭載されているポートレートモードもLEDフラッシュの効果を自然な色合いに整えるTrue Tone flashやHDRの機能を追加。撮影画質がブラッシュアップされる。
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■カメラ、マップ、Siriもそれぞれ進化する
さらにカメラの標準機能にQRコードの読み取りが加わるという。旅先のガイドやマップ情報へのアクセスがQRコードで提供されているサービスに、より素速くアクセスできるだろう。
旅先で必須の「マップ」アプリについては、世界中の主要な空港やショッピングモールのインドアマップ情報が追加される。対象となる地域には日本も含まれているようだ。特に海外旅行で初めて降り立つ空港で、乗り継ぎを待つ間にカフェやお土産を探す場面で重宝する。
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ボイスアシスタントのSiriについても大胆な改革が図られるようだ。中でも海外旅行でとても役に立ちそうな「翻訳」機能の追加に注目したい。サービスインの当初は英語/中国語/スペイン語/フランス語/ドイツ語/イタリア語の5ヵ国語に対応する。Siriに話しかけると対応する言語から言語へ自動翻訳され、会話の相手にiPhoneの画面に表示される翻訳テキストを見せたり、音声で読み上げることでこちらの意図が伝えられる。旅先で活躍しそうな場面はショッピングやタクシー、ホテルなど数え上げれば切りがない。1日も早く日本語対応を実現してもらいたいものだ。