もうケーブルは不要?スマホを置くだけ「ワイヤレス充電」の仕組みとは | RBB TODAY

もうケーブルは不要?スマホを置くだけ「ワイヤレス充電」の仕組みとは

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もうケーブルは不要?スマホを置くだけ「ワイヤレス充電」の仕組みとは
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マウスだってキーボードだってケーブルなしの時代。充電もコードレスにしたい! という多くの人々の期待に応えるのが、ここ数年で市場に出てきた「ワイヤレス充電」の技術だ。充電の際は、充電パッドにスマホを置くことだけ。ペアリング設定などスマホを操作する手間さえ必要ナシ。

また、接続コネクタが存在しないので、たとえば水濡れ充電による感電や、充電ケーブルの抜き差しによるコネクタ部の破損といった心配がなくなる。



このワイヤレス充電、正確に表現すると「ワイヤレス」で行う「電力伝送」の技術ということになる。スマホだけでなく、今後は電気を使うあらゆる機器にワイヤレスで電力伝送をできるようになっていくだろう。少し詳しくみていこう。

■主流は「電磁誘導」と「磁界共振」の2方式

ワイヤレスで行う電力伝送の方式はいくつか挙げられるが、今ホットな方式は2つある。

1つは「電磁誘導」。2つのコイルを近づけ、給電側のコイルに交流電流を流すと、接触していない受電側のコイルにも電流が流れる。スマホの充電でいえば給電側が充電器、受電側がスマホというわけだ。



ただし、電磁誘導の場合、充電器とスマホの位置関係がシビアで、少しでもストライクゾーンを外してしまうと電気が伝送されなくなってしまう。そこで現在主流の給電パッドでは、送電コイルが受電コイルの位置を自動検出するようになっている。パッドのどこにスマホを置いても、送電側のコイルが動いて確実に電気の伝送が行われるというわけだ。



もう1つの方式が「磁界共振」。給電側と受電側にそれぞれコイルがあるのは電磁誘導と変わらないが、電気の伝送方法に「共振」を用いる。ピアノやギターの調律などで使われる音叉を思い浮かべてほしい。1つの音叉を鳴らすと、その音波と同じ周波数の音叉が共鳴して音を出し始めるアレだ。



この共振(共鳴)現象に似たことが電気を伝送する際にも発生するのだ。給電側のコイルに電流を流すと磁場が発生するが、その磁場は特定の周波数を出しており、近くにある同じ周波数を持つ受電側のコイルに振動が伝わり、電気が伝送されるのだ。

2つの方式にはそれぞれ特長がある。電磁誘導の場合、電力伝送が確実に行われ、電力のロスが少ない。一方、磁界共振は伝送距離が長い。電磁誘導は数mm~10cm程度であるのに対し、磁界共振の場合は1mで90%、2mの場合で40%の伝送効率が期待できる。

■ワイヤレス充電の注意点とは?



メリットだらけに見えるワイヤレス充電だが、いくつか注意しておきた点もある。

スマホにカバーやジャケットを装着している場合は給電が正しく行われない場合があるし、ジャケットに入れた磁気カードは磁場の影響を受けて読み取りができなくなる可能性がある。ワイヤレス充電を行う場合は、スマホはできるだけ”素”の状態である方が望ましいのだ。

また、コネクタ接続式充電と比べると電気のロスが発生してしまい、充電に時間がかかってしまう。

一方、見えない電気が給電側から受電側にビビビと飛んでくるので、近くにいた人もビビビと感電してしまうような気がしなくもないが、そこは安心していただきたい。電磁誘導も磁界共振も、特定の2つのコイルの間で電気の受け渡しを行う。あさっての方向に電気がすっ飛んでくるような事態は起きない。

給電パッドの仕組みはIH調理器とよく似ている。IH調理器の場合、金属のフライパンや鍋を置くと発熱する。給電パッドも仕組みとして金属を乗せると同様に発熱してしまうが、安全装置が金属の存在を感知して給電を自動停止するようになっているのだ。

■電気自動車も? ワイヤレス充電の未来とは?

さて、2つの方式がメジャーになってしまうと、それぞれの給電パッドが世の中に存在してしまい、引き出しの山盛りケーブル状態が山盛り充電パッド状態に置き換わるだけなんじゃないか、と心配になってしまうところだ。

ワイヤレス電力伝送でメジャーな国際標準規格は、Wireless Power Consortium(WPC)が策定した「Qi(チー)」と呼ばれるもので、現在は多くの製品が登場している。Qiは電磁誘導と磁界共振の2つを組み合わせた規格。だから充電パッドが1つあれば、どんなスマホも充電できるようになるはず。国際標準規格にはほかに「Powermat」と呼ばれるものがあるが互換性があり、Powermat対応の機種はQiで充電できるし、その逆も可能となる見込みだ。

スマホを机に置いたら勝手に充電できるワイヤレス電力伝送技術は、まだまだ技術発展の真っ最中。将来期待されるのは「部屋に入ったらスマホがどこに置いてあっても充電される」ような、数mにわたって電力を送る仕組みだ。これが実現できれば、たとえば高速道路を走行中の電気自動車が充電レーンを通行するだけで充電できるようになる(現在、実証実験が世界中で行われている)。



もちろん実用化に向けては人体への影響や電力の伝送量を増やすなど、たくさんの課題を解決しなければならない。でも、ケーブル接続しなければできなかった充電が、今後はなにも意識しなくてもバッテリー残量100%になっている便利な世の中がやってくることは間違いない。

文:吉田 努

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