■Xperiaシリーズのスマートプロダクト“第3弾”
本機はMWC2016でソニーモバイルが発表した「Xperia Agent」をブラッシュアップした商品。円錐型の本体のてっぺんに球体の顔を乗せたようなデザインで、本体が中心を軸に約360度回転するほか、顔の部分も上下動作および半円を描くように回転する。底にタイヤ等は付いていないので、本体がまるごと動くことはない。球体の顔の部分に乗っているLEDは目をウインクさせるように瞬いたりもする。ソニーモバイルの担当者は「人のようなふるまい」を演出したかったと、動きを付けた狙いを説明している。

ソニーモバイルがXperiaシリーズをスマートプロダクトに展開する背景には、得意とするスマートフォン以外にも人々のコミュニケーションをサポートする様々なデバイスにビジネスのフィールドを広げていこうとする狙いがある。本機も今回は「Xperia Hello!」としてコンシューマ向けに一般販売がおこなわれるが、実のところ中味はOSにAndroid 7.1、CPUにクアルコムのSnapdragon 650を乗せて、3GBのメインメモリーも盛ったスマホのノウハウをベースにしているロボットである。

特定用途に向けた機能のカスタマイズについてもある程度自由度の幅があり、2016年に海外で開催されたイベントではネスレの「バリスタi」と連携して、音声操作で好みの味のコーヒーが淹れられるサービスのプロトタイプをデモンストレーションしたこともあった(関連ニュース)。ソニーモバイルの開発担当者は「企業の“受付ロボット”のような、法人用途についてもニーズがあれば対応していきたい」と意欲を見せている。
さて、では一般のコンシューマーが本機を買うと何ができるようになるのか、概要を整理してみよう。
■LINEやスカイプで家族のコミュニケーションをつなぐ
Xperia Hello!は家族のコミュニケーションの潤滑油として活躍する使命をその肩に背負うロボットだ。購入後に使えるようになるXperia Hello!専用のLINEグループアカウントに最大10人までの家族を登録して、LINEアプリでメッセージの送受信ができる。LINEの音声通話には非対応。Skypeによる音声・ビデオ通話や、専用のビデオ伝言メッセージボード機能も搭載した。
Xperia Hello!には顔認識機能がある。内蔵カメラで最大10人までの顔を「ユーザー」として登録しておけば、例えばお母さんが外出先からお父さん、息子宛に別々のLINEメッセージを送っても、Xperiaがユーザーの顔を認識して、それぞれに届いているメッセージを顔を判別してから読み上げてくれる。
コミュニケーションのきっかけづくりにもXperia Hello!は活躍してくれる。家族の誕生日などイベントを登録しておくと、その日が訪れた時にXperiaの方から能動的に「お母さんにメッセージを送りますか?」と訊いてくる。イベントの登録は「声で直接登録」するか、またはスマホやPCから「Googleカレンダーに登録」する方法の二通りがある。