■開発の経緯がすごい
TiNKは、牧田氏の暗いエピソードが元になり開発された。牧田氏いわく、元カレが自分の知らない間に合鍵を作り、留守中に勝手に部屋に侵入していた過去があるという。「物理鍵は安全と思われていますが、合鍵などの問題点が潜んでいる。コネクティッド・ロックなら、スマホで一瞬で鍵を変えられる」と、説明する言葉にも実感がこもる。2018年8月以降に一般販売を予定しており、本体価格が49,900円(税別、以下同)、月額利用料が500円。なお初期設定料金として9,800円がかかるが、これは一般的なシリンダー交換(鍵交換)の半分程度の費用に抑えられている。


■どんなことがデキるの?
主な機能と特徴は以下の通り。スマートフォンの専用アプリ経由で解錠が可能。テンキーによる数字の入力や、シェアが許されたスマホ(最大5台まで)のNFCでも解錠できる。オートロック機能を搭載。留守中に扉が振動などの異常を検知した場合はスマートフォンに通知が届く。ワンタイムキーもアプリを通じて発行が可能。入退室の履歴管理機能も搭載した。製品自体がLTE・Bluetooth通信に対応。電源については2つのバッテリーパックを任意のタイミングで交換できる仕様で、両方を満充電すると約2~3ヵ月は使用できる。説明会では、集合機に設置するタイプのコネクティッド・ロック「TiNK E」も発表された。


■サービスの拡張性もある
オプション機能として、子どもの帰宅を知らせる「帰宅お知らせ機能」、シニア世帯の扉の解錠が一定期間ないことを知らせる「シニア見守り機能」を各300円で提供する。これに加えて将来的には、特定の業者に解錠を許可することで実現する各種サービスの提供を予定する。具体的には、宅配業者と組んだ宅内配達サービス(玄関に荷物を置いていってもらう)、オークションサイトと組んだ玄関集荷サービス(玄関先の荷物を持っていってもらう)、不在時家事サービス(ハウスキーパーの出入りを許可する)、異常時に警備会社が駆けつけるホームセキュリティサービスなどを考えているようだ。

アパマンショップホールディングスグループが連携を表明している。賃貸の物件が空室になったタイミングで設置するなどして内見業務を効率化するほか、オーナーには物件の価値向上、入居者には各種サービス販売を促進していくという。tsumugでは2021年までに100万世帯への設置とサービス提供を目指している。
なお、すでにTiNKの後継モデルの構想も膨らんでいる様子。製品に内蔵したカメラで3Dの顔認証を行いつつドアノブで指紋認証を行う、などのアイデアが上がっているようだ。牧田氏は「最高の安心と安全を生み出す製品です。100万世帯の設置を目指して、いま量産しています。共働き、母子家庭、高齢者など、あらゆる世帯に便利に使えるサービスを展開していきたい」と説明していた。