筆者はインタビューや発表会の音声を記録するために、普段からよくiPhoneをボイスレコーダーとして使っている。iOSにプリインされている「ボイスメモ」アプリを立ち上げれば、音声ファイルの録音からリスト管理が素速くシンプルにできる。端末だけで録音ファイルの簡単なトリミング編集もできるところが気に入っている。
録音したファイルはAirDropやメールなどを使ってMacへスムーズに転送できる。ユーザーインターフェイスの完成度も含めてアプリについては何の不満もないのだが、iPhoneに内蔵されているマイクだけでは満足の行く録音レベルが得られないと感じることがよくある。iPhoneには音声録音に特化したマイクが内蔵されているわけではなく、たとえば音源に対する指向性が調整できないので、ざわついた場所ではインタビューしたい人のコメントだけでなく周囲の喧噪も拾ってしまう。音源だけがきれいに聞こえるようなノイズリダクション機能も欲しい。趣味で楽器を演奏したり、iPhoneをヘビーに録音用途に使い込むと次第に内蔵ストレージの残量も気になってくる。
■Lightning端子に直接つなぐ外付けマイクでクリアな録音を!
前者のマイク性能に関係する課題については、Lightning端子に直接つなげられる外付けマイクを使う手段が有効だ。ソフトバンク コマース&サービスの+Styleで取り扱っているiPhone用の外付けポータブルマイク「Lolly」は、iOSデバイスのLightning端子に直付けして、ボイスメモなど任意のアプリによる音声録音のクオリティアップを助けてくれる。

Lightning直結なので別途バッテリーとの接続は不要。本体は約23gととても軽い。立体感に富んだ3D録音や、音源の方向を自動追尾しながらよりクリアな音を記録する「集音方向自動追尾機能」、奥行き感を加える「リバーブエフェクト」も注目の機能だ。ボイスメモだけでなく、カメラアプリで家族の思い出を動画で記録する時にも「いい音」が残せることのメリットが実感できるはずだ。価格も9,990円(税込)とお手頃なのがうれしい。

Lightning直結タイプのマイクは、録音のクオリティにこだわって、価格も度外視できるのであれば良質な製品もたくさんある。米国のプロ&コンシューマー向け音響機器メーカーであるSHURE(シュア)から発売されている「MV88」は、一般的なダイナミック型のマイクに比べて音質が良く、細かなニュアンスも記録できるといわれているコンデンサー型のコンパクトな外付けマイク。専用アプリ「ShurePlus MOTIV」を使えば、マイクの指向性やステレオ録音時のセパレーションが細かく調整できる機能を備えているので、楽器の練習や録音に愛用しているユーザーも多くいる人気モデルだ。

■Bluetoothで遠隔操作するボイスレコーダー
もう一つの方法は、iPhoneとBluetoothでペアリングしてアプリで遠隔操作できるボイスレコーダーを合わせて使う方法だ。たとえばソニーから発売されている「ICD-TX800」のような製品がある。

本体とワイヤレスリモコンが別々の筐体になっているユニークなデザインのボイスレコーダー。高性能ステレオマイクを内蔵する本体をテーブルの上にさり気なく置いたり、衣服の胸ポケットなどにクリッピングして使えるので、インタビュー相手から気取らないコメントが引き出せる。


リモコンアプリの「REC Remote」はiOS 10以上に対応。録音の遠隔操作や波形のモニタリングがアプリからスムーズにおこなえるだけでなく、録音ファイルは16GBの内蔵メモリーに記録されるので、iPhoneの内蔵メモリー不足は心配無用だ。
iPhoneを楽器の演奏や練習、英会話学習などふだんからビジネス以外の用途に使っているという方も多くいるだろう。外付けマイクや、アプリで連携するボイスレコーダーを組み合わせながらよりクリアな音が録れるようになれば、iPhoneがますます便利に感じられるようになるはずだ。
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