■どんな使い方ができる?
hakarunoは、スマホアプリとBluetoothで連携できるメジャー。ボタンを押すだけで採寸結果をアプリに記録できる。「企画・デザイン」を富士通デザインが、「ハードの開発・製造」を富士通コンポーネントが、「ソフト開発およびサービスデリバリー」をプライムキャストが担当する。

メジャーの長さは150cm、メジャー計測部の重さは約20g。コイン電池で動く。富士通では市場の反応を確かめるべく、Makuakeで展開する道を選んだ。最安値は先着限定50名の「メジャー1個セット」で、こちらは税込15,750円となっている(参考URL:http://www.makuake.com/project/hakaruno/)。富士通が主なターゲットとして想定しているのは、アパレル系のメーカー、またはフリマアプリを利用する個人だ。

たとえばファッションブランドの店舗なら、洋服のお直しなどの際につくる顧客伝票を簡単に確実に作成できる。採寸にかかる時間は短縮でき、また数字の書き損じなどのミスもなくすことが可能だ。またフリマアプリを利用している個人なら、出品画像に寸法情報を追記できる。富士通では実際にオークションサイトに洋服を出品して、売上につながることを確かめたという。その経緯を担当者が説明した。

「セーターを出品したのですが、初めは画像と身丈:何cm、肩幅:何cm、...といった文字情報を別々に掲載していました。2日目には値下げもしましたが売れません。そこで3日目にhakarunoで作成した寸法付きの画像を掲載したところ注目度が増し、4日目に売れました。サイズを直感的に理解できることは、売上アップに効果的です」(担当者)。

このほか富士通では、DIYで椅子やテーブルをつくる際の木材の採寸に、あるいは植物の観察日記に、果ては子どもの成長記録にもhakarunoが利用できるのではないかと提案する。同社でも、用途拡大を模索している最中なのだろう。「クラウドファンディングを経由することで、市場の需要を確かめられ、また製品の改善点を知ることができる。それだけでなく、意外な使い方も発見できるかも知れない」と担当者。テストマーケティングという観点からも、Makuakeでの市場の反響に期待を寄せているようだった。

■いつ手元に届く?
質疑応答で、担当者が記者団の質問に回答した。
Makuakeで設定したクラウドファンディングの目標金額は1050万円。これは製造開発、金型、梱包材、配送料などを含めたトータルの費用だという。残された期間は90日間。プロジェクトが成功したあかつきには、製造期間として半年をかけ、11月頃の商品の配送を予定している。海外のクラウドファンディングで展開する可能性についても質問がおよんだが、これについては「いまのところ予定はない」との回答だった。