実在の記者達を支えた親族らのインタビュー映像が到着...映画『ペンタゴン・ペーパーズ/最高機密文書』
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政府が約30年もの間隠し続けた、ベトナム戦争に関する衝撃的な事実が記された機密文書“ペンタゴン・ペーパーズ”の全容を国民に公表しようと奔走する新聞記者たちの熱く勇敢な姿が描かれていく同作。巨匠スピルバーグ監督がトランプ大統領就任45日後に「今、撮るべき作品」として、予定していた作品よりも先に本作の撮影を敢行したことからもわかるように、劇中で描かれる”報道vs国家”という戦いには、トランプ政権の元で揺れる今のアメリカや、政府によってジャーナリズムに規制がかけられ、何が真実で、何が正しいのかがわからなくなってきている現代の状況に、かつて胸に掲げた“報道の自由”という信念を今こそ思い出すべきと、激しく警鐘を打ち鳴らす熱烈なメッセージが込められている。
そんな歴史的戦いで文書を掲載しようと立ち上がったひとりが、女性経営者のキャサリン・グラハム。男尊女卑の激しい男社会が当たり前の時代に、夫の死をきっかけに経営者となったただの専業主婦が会社の命運を握る重要な決断を迫られたことは当時の新聞業界に大きな影響を与えたようで、キャサリンの実の娘で現在のワシントン・ポストの編集者であるラリー・グラハム・ウェイマウスは「“フォーチュン500”の初の女性経営者よ。当時の写真をみるといつも男性に囲まれた」と振り返り、キャサリンを演じたメリル・ストリープは「当時女性はまだ陰の存在だった。そんな中、キャサリンが世間に注目される。文書の影響によってね」とコメントを寄せている。
さらに、キャサリンの相棒として共に文書の掲載に踏み切ったのはキャサリンにヘッドハンティングされ、ワシントン・ポストに入社した編集主幹のベン・ブラッドリー。ベンを演じたトム・ハンクスが「ベンは新聞一筋の男だ。常に真実を求めていた」と明かしているように、根っからの熱血記者気質で、文書を掲載することで政府によって投獄されるかもしれないというリスクを厭わない勇敢さを持ち合わせていたベン。実の妻であるサリー・クインが明かす「ベンは言ったわ。“痛々しくても真実を選ぶ”と」という言葉からは、記者としてぶれることのないベンの意志の強さが窺える。
スピルバーグ監督は同作について、「真実の重要さを語る作品だ。おおまかにではなく、その細部までもね」とコメント。さらに「当時と今のマスコミの状況は同じだ。マスコミは1971年と同様に、圧力を受けている。2017年の“17”を逆にすると“71”だ。両者は数字的に、いとこのような存在だよ。歴史の振り子が、現代に戻ってきた感じがする」と劇中と現在の報道機関に似通っている部分があることついても言及している。映画『ペンタゴン・ペーパーズ/最高機密文書』は現在公開中。
《KT》
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