アパートの大家である80代の老婦人との交流を描いた漫画『大家さんと僕』(新潮社)がベストセラーとなり、さらには芸人として初の快挙となる手塚治虫文化賞短編賞を受賞した矢部。
こうした反響について彼は「すごい、びっくりです」と驚き。漫画を描くに至った理由として、一人暮らしの老婦人が世間からのイメージに比べて実際は「すごい幸せ感があった」とし、それを伝えたかったと明かした。
そんな“大家さん”は、さる8月に他界したことが明らかになっているが、ここで矢部は、生前、彼女からもらった手紙を朗読。文面には、「矢部さんがいらしてくれたからここまで生きてこられたのよ。楽しいこともたくさんいただいて、矢部さんのおかげです。すべてお礼を申し上げるのは私のほう」「矢部さんは、私の残り少ない人生の誰より大事な方です」などと感謝の思いが綴られていた。矢部は読むにしたがって目を潤ませ、涙していた。
この日は、家が近所で飲み仲間という俳優・木下ほうかもゲストで登場。矢部は、完成した漫画を初めて見せた相手は木下だったと告白し、はっきり物を言う彼が読んだ後に「いいよ」と言ってくれたのが励みになったと語った。作品の出来について木下本人に改めて聞くと、「多少は……」と、やや辛口。「売れすぎです」と毒も吐いていた。