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スマートロックは2015年ごろから市場に製品が登場し始めたが、安価なものでも3万円台以上の販売価格で、耐久性などを考えると個人での購入には慎重にならざるを得なかった。ところが、1万円少々で購入できるとあれば、試しに使ってみようというユーザーも少なくないのでは。
SESAME miniは、すでに貼り付けられている3Mテープでドアロックのツマミの上に装着し、アプリで設定するだけで直ちに使用が可能になる。基本的に取り付けに道具や工具は不要だ。SESAMIの従来製品に比べると、日本の住宅向けにかなり小型に設計しなおされている。3Mテープでの貼付けでだけで、しかも本体自体が小型軽量のためツマミの回転動作にも相当な力も掛かるはずで、はがれ落ちたりしないものだろうかと思ったが、すでに1週間以上使用しているが現時点で緩みなどは全くなく安定して動作している。
電源はリチウムイオン電池「CR123A」を2つ使用し、絶縁を外して通電させるとBluetoothがONになる。電源スイッチはなく、電池を取り外さない限り常時BluetoothがONになった状態となる。目安として、1日10回の開け締めならば510日程度の使用が可能となっている。また電池残量が少なくなるとアプリ上にアラートが表示される。
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ドアにSESAMI miniを取り付けたら、続いてはアプリの設定だ。アプリをダウンロードし、画面の手順に従って設定を進めていく。Bluetoothペアリングさせ、最初に登録したアプリがマネージャーとなり、SESAMI miniの管理や、マネージャーやゲストの追加などの権限を持つことになる。ゲストとして後から追加されたユーザーは、ドアロックの開閉しかできない。
また、通常はBluetoothの接続の範囲でスマホからドアロックの開閉をすることになる。遠隔で操作する場合には、インターネット経由で操作するための専用WiFiハブ(WiFiモジュール)を設定する必要がある。SESAMI miniを設置した場所のWiFiにアクセスした状態のスマホを使って、アプリの画面からWiFiモジュールの追加接続設定を行う。
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当然のことながら、ゲストに対して開閉の有効日時を指定することもできる。レンタル部屋の鍵(アプリ)をゲストにメールで送り、遠隔でその入退室を管理するといった使い方もできる。一方、今回筆者は大学のゼミ室にSESAMI miniを設置し、出入りする学生をゲストとして登録して使ってみた。この場合、誰がいつ入退室したかを遠隔で確認できたのは良かったのだが、BluetoothおよびWiFiとも、SESAMI miniに接続できるユーザーは1人に限定されるようで、アプリを入れているユーザーが集まる部屋のようなケースでは「Busy」表示となってしまって、とっさに操作ができない不便さもあった。
また、このほか位置情報(GPS)を使い、予め設定したエリアに入った際に自動解錠してくれる「手ぶらで解錠」機能と、スマホ本体をノックすることで解錠してくれる「ノック機能」もある。
そのほか、Google HomeやスマホのGoogleアシスタント、Amazon Echoと連携させ、「鍵閉めて」「玄関をロックして」「ドアはロックされてる?」などのフレーズでSESAMI miniをコントロールすることも可能である。上級者向けには、IFTTT経由で他のスマート家電との連携などのカスタマイズもOKだ。
パソコン上からSESAMI miniの解錠・施錠を行ったり、履歴や稼働率を見ることができる「ダッシュボード」も、SESAMIのサイトからログインすることで利用できる。
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本体のカラーはホワイト、マットブラック、シャンパンシルバー、シャンパンゴールドの4色が展開される。SESAMIによれば、日本に流通する95%の鍵に対応するとしており、残る5%の鍵についても、装着できるように3Dプリンタを使ってパーツを作成するなどのサポート体制を整えるとのこと。