同作は、62歳の女が38歳と偽って金を集め、出資法違反で逮捕された事件がモチーフとなっており、樹木さんが長い女優人生の中で初めて企画したもの。浅田は樹木さんたっての希望で主演に起用された。
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奥山プロデューサーは「本来でしたら制作発表をやるはずでしたが、企画、出演していただいた樹木希林さんが旅立たれましたので、こういう形になりました」と説明。制作までの経緯を問われると、別件で電話をかけたところ、「それはそれとして一度会いましょう」と言われ数年ぶりに会った際、「一緒に何か企画をしませんか」と提案されたという。その数日後には、「浅田美代子さん主演で、この事件をやりたい」と明確な企画案を出して来たそうで、「最初にお会いしたときから、希林さんの頭の中には企画が出来上がっていたのかなぁ」と考えを巡らせた。
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浅田は「希林さんと一緒に来れるのを楽しみにしていました」と素直な思いを吐露すると、「この作品が希林さんにとって遺作と言われて、私としては申し訳ない気持ちでいっぱいです」と苦笑いした。また、試写を観たときに樹木さんからダメ出しがあったことも告白。奥山プロデューサーは「僕なんかは、今までの演技と全然違って、完璧」と思ったと話すが、樹木さんは「いや、言葉の癖が抜けてないのよ。別人になってない。時々、浅田美代子本人が出るじゃない」と言っていたとか。浅田は、「お芝居の癖があるらしくて、それが抜けていないというのと、いつものことですけど、『下手くそ』と言われていました」と、時折目を潤ませ、声を震わせながら、樹木さんのことを思い返していた。
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さらに、「編集にも『こうした方がいい』とかおしゃっていましたよね。いろいろ考えられていました」と明かすと、奥山プロデューサーも「企画の隅々まで希林さんの思いが行きわたっています」と本作をアピールしていた。