奥田は昔から安藤に対し、「(女優に)なるなよ、なるなよ、サクラ。お願いだから」と心の中で願っていたと言う。だが彼女が高3になったある日、「お父さん、お話があります」と切り出され、「私、女優になりたいんです。許していただけませんか?」と了解を求めてきたそう。
この言葉に奥田は、「あー、来ちゃった、来たー」と内心ではショックを受けつつも、父親らしく威厳を保ち、「うん、分かった。だったら自分で女優になってください。父は何も手伝いません。それだけだ」と言って許したのだとか。
すると安藤は、深々と礼をしながら「ありがとうございます」と一言。以来、娘は自分の力で道を切り開いてきたと奥田はしみじみ振り返っていた。
そんな奥田も、ある時演じる役について娘が悩んでいた姿を見て、「おいサクラ、役者というものはだな……」と助言をしようとしたそう。だが安藤から「お父さん、お父さんの生き方と私とは違います」「お父さんは24時間その役を生きるが、私は女優と自分を使い分けられる」と逆に言われてしまったという。以来奥田は安藤に一度もアドバイスしていないと話していた。