【インタビュー】中川翔子が女子たちにダーク・ヒーロー映画「ヴェノム」を観てほしい理由とは?
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スーパーヴィランこと「ヴェノム」は、1988年にアメリカのコミック出版社「マーベル」から刊行された「アメイジング・スパイダーマン」300号に初めて登場して以来、凶悪極まりないルックスとキャラ設定で、熱狂的に愛され続けているキャラクター。その「ヴェノム」を取り上げた単独映画となる同作で、「ヴェノム」がついに、スクリーンの中でヴェールを脱ぐ。日本でも公開前から、「スパイダーマン最大の宿敵、そしてマーベル史上、最も残虐な悪(ダーク・ヒーロー)が誕生する」というキャッチコピーと、鮮烈なビジュアルで話題沸騰中だ。
ストーリーは、正義感溢れるジャーナリストのエディ・ブロック(演じるのは『マッドマックス 怒りのデスロード」(2015)や『レヴェナント:蘇えりし者」(2015)で米アカデミー賞ノミネートのトム・ハーディ)が、「ライフ財団が人体実験で死者を出している」という情報の真相を探ることから始まる。無謀な取材を敢行したエディは会社をクビになってしまい、恋人のアン・ウェイング(ミシェル・ウィリアムズ)からも別れを告げられてしまうが、そんなエディのもとにライフ財団の研究者から内部告発の情報が寄せられる。
ヒロインとなるアンの日本語吹替版声優を担当した歌手でタレントの中川翔子(33)にインタビューを行い、映画『ヴェノム』の魅力を語ってもらった。
-収録を終えた感想からお願いします。
今回演じさせて頂いたアンは、強くて、クールで、仕事もバリバリしていて、恋愛もどんどん楽しむという女性でした。ヴェノムが目の前で暴れていても、面白がって「最高!」と歓喜してしまうような、心の強さを持っています。アンの年齢は、私よりも上でした。これまでアニメのアフレコをしてきた中で、キャラクター的に「年齢を下げてください」と監督から指示されることが多かったのですが、今回、初めて監督から「もっと年齢を上げてください」と言われました。
ニューヨークの30代の女性はバリバリ働いて、ミニスカートとブーツ姿で街をガンガン走ったり、恋愛も素敵な人がいたらパッと切り替えてしまうという自由さを持っていて素敵なのですが、表情が豊かなアンは、さらに普通の人がパニックになるような場面も冷静に楽しむクールさを持っていました。私は映画ファンとしても、マーベルファンとしても、吹替え版で芸能人の顔がチラつくなんて絶対に許せないので、作品に没頭して観て頂けるよう、ナチュラルに演じることを目指して試行錯誤しながら取り組みました。
-初めて「ヴェノム」のビジュアルを観たときの印象は?
口が目よりも上に裂けてしまっているってすごいし、歯がいっぱいあるし、「これは何?」と思いました。マーベルはこれまで、ぶっ飛んだキャラクターが入り乱れてきたのですが、ポスターで「最悪」と言い切ってしまっていました。「どんだけ最悪なのだろう?」と気になっていました。
-作品に参加して、印象は変わった?
実は、観る前は“心もないような最悪のやつ”なのかなと思っていました。でも、実際は、この世界の景色を見て「綺麗だ」と言えたり、「ポテトとチョコレートを食べたい」と言い始めたりと、可愛いし、明るくてファンキーなやつでした。恋愛のアドバイスも的確にしてくれるのですが、「私も恋愛のアドバイスをもらいたい」と思ってしまいました(笑)
-映画『ヴェノム』については、どんな印象を持ちましたか?
最高にぶっ飛んでいるなと思いました。たくさんの映画に囲まれて、色んな作品を観て、目も心も肥えている人類たちが、この『ヴェノム』ではびっくりするようなシーンがたくさんあると思います。バディムービーとしても面白くて、夜景を背景にビルの壁をずり落ちたり、ドローンに追いかけながらカーチェイスで暴走したりと、どのシーンも迫力があります。
-マーベル・コミックを原作とする作品に参加したのは初めて?
初めてです。これまで、イチ映画ファンとして、「アベンジャーズ」、「スパイダーマン」、「マイティ・ソー」、「アイアンマン」など、大好きなキャラクターたちにたくさんの興奮を頂いてきました。「次のマーベルは何だろう? マーベルだけは絶対に映画館で観なくちゃな」とワクワクして待っていたら、吹替えのお話を頂きました。
私自身についていえば、30代になって、仕事や人生への感覚、意識が変わってきています。これまでがあってのこれからだし、だぶん、これからはこれまで通りではなくなるだろうと思います。ようやくそんな状況に慣れてきて、「これからもっとやってみたい」と思えるようになってきました。そんなときに、こんな大役を務めさせて頂くことができました。これからの私の人生の大きな財産になると思います。
-今後の活動の方向性を教えてください。
ナレーションを含めて、声優や吹替えなど声を使ったお仕事は大好きです。歌でも今、3年半ぶりのリリースがあり、イベントで全国を回っています。“初めまして”の方にも私の歌を聞いて頂けることがすごく楽しいです。インタビューで自分のことを改めて振り返る機会を頂くこともできています。
30代に入ってからドラマや舞台もやらせて頂いているのですが、これからも、中川翔子として表現できることだったり、言葉を紡ぐことだったりをしていきたいです。声優に関しては、レジェンドと呼ばれる先輩たちの背中を見ていると、「続けて行くことの難しさがこれから始まるのだな」と思っています。今は、仕事をいっぱいしたいですし、アンを観ていたら、恋愛もいっぱいしてみたくなりました(笑)
-作品としての『ヴェノム』の魅力を教えてください。
トム・ハーディという魅力あふれるかっこいい男子が情けない部分や、ヘタレな部分も見せながら、ヴェノムと出会ってバディを組む作品です。子どものころにヒーローに憧れ、強くなりたいと願ったことは誰にでもあると思いますし、大人になってからも、ワクワクするものとして、その思いを心の中に持っていると思います。
映画『ヴェノム』はアトラクションに参加したような体感ができる映画なので、ぜひ、映画館で見てほしいです。日本語吹替版なら、字幕を読むことに気を取られないので、映画館の大スクリーンを隅々まで堪能できます。ぶっ飛び方に加えて、映像の圧倒的な美しさも体験できます。
-どんな方に特に観てほしい?
私の周りには「絶対にマーベルの映画が好きでしょ!」という友人たちがいるのですが、意外とマーベルの世界に入りそびれてしまっています。「マーベルの世界にどこから入っていいか分からない」と思っている女子たちがいたら、ぜひ、映画館に足を運んでほしいなと思います。映画『ヴェノム』では、ヒロインのアンはバリバリに働いて、恋愛もして、何でも面白がってしまう強さを持っています。ファッションも素敵です。マーベルに新しいヒロインが誕生したと思いました。トム・ハーディには、女子ならめろめろになってしまいます。前情報なしで観ることができる作品なので、マーベル未体験の女子たちにとって、映画『ヴェノム』は最適なマーベル作品の入り口になると思います。
-映画『ヴェノム』は、「PG12」(12歳未満(小学生以下)の鑑賞には、成人保護者の助言や指導が望ましい/PG=Parental Guidance)ですが、子どもたちにも保護者の方と一緒に観てほしいですね。
ちびっ子にとって、「面白い」、「ワクワク」、「気になる」という興味は脳みそに必要な栄養素だと思います。小さい子には、まさに「マーベルの世界にようこそ」という作品になっています。少年たちが観たら絶対に楽しいと思います。「ヴェノム」は、ノリノリで色んなことをやってくれますので、正統派のヒーローよりもワクワクするかもしれません。「最悪」とうたっていますが、ヒーローという点に関していうと、「ヴェノム」は、“自分よりも人のために命をかけて守る強さ”を持っています。「ヴェノム」は、ものすごいヒーローだと思います。
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