「寒い日やスキー場ではスマホ電池の減りが早い」は都市伝説? 結露など冬の注意点も | RBB TODAY

「寒い日やスキー場ではスマホ電池の減りが早い」は都市伝説? 結露など冬の注意点も

100%信じているというわけでもないけど、なんとなく納得している、そんな微妙なスマホにまつわる「ウワサ」。それらの疑問を専門家にぶつけ、真実なのか、偽りなのかを検証していくシリーズ企画第3弾。

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「寒い日やスキー場ではスマホ電池の減りが早い」は都市伝説? 結露など冬の注意点も
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100%信じているというわけでもないけど、なんとなく納得している、そんな微妙なスマホにまつわる「ウワサ」。それらの疑問を専門家にぶつけ、真実なのか、偽りなのかを検証していくシリーズ企画第3弾。

これまでTIME & SPACEでは「暑い日はスマホ電池の減りが早い?」「充電繰り返すとスマホ電池は劣化する?」を検証してきましたが、今回は「冬のスマホ電地」にまつわる、

「冬はスマホのバッテリーの減りが早くなる気がするんだけど」

という疑問。

さて、寒いと本当に減りが早くなる? 本当だとしたらなんで?

今回もKDDIの「電池先生」こと、プロダクト品質管理部の新保恭一に真相を聞いてみた。




冬はバッテリーの減りが早くなる?



――寒いとスマホの電池の持ちが悪くなるのは本当でしょうか?

技術的には正しいです。
皆様の使用感で電池もちが悪く感じるかはわかりかねますが、もしかしたら極端に寒いところでは普段より電池もちが悪く感じることもあるかもしれません。

――では、何度ぐらいの寒さになると、そのような症状になるのですか?

これには2つの理由がありまして、1つはリチウムイオン電池の特性で0°C程度の低温環境で電池電圧(電池容量)が小さくなること、もう1つはスマートフォンなど電池を実装する機器による電池保護のため、一定の低温(例 5°C以下など)になると、スマートフォンに備わっているセンサーが作動し、電力の供給を抑える制御をします。場合により、スマートフォンの動作が遅く感じることもありますが故障ではありません。快適にスマートフォンが使用できる周囲温度についてはメーカーによってもさまざまなので、ご自身のスマートフォンの取扱説明書を一度参照してみると目安が分かると思います。



――どうして寒くなると電池のパフォーマンスが落ちるのでしょうか?

一般的な電池の特性なのですが、低温環境では電池の内部抵抗が大きくなってしまいます。また、前回「電池内部の電解液をイオンが移動することで結果として電流が流れる」ことをお話ししましたが、温度が低くなると電解液の粘度が上がってしまいイオンが移動しにくくなるのです。

もうひとつは、高温ほどではありませんが、低温環境も電池の劣化要因になりますので、寒くなりすぎる場合は、スマートフォン側で電池保護のために電力の供給小さくしてしまう場合があるというのが、ふたつ目の理由です。

――電池の内部はどのようになっているのでしょうか?

これはあくまでイメージをしてもらうための説明になるのですが、電池の内部は+極とー極と、その間にセパレータがあり、内部は電解液で満たされています。



電極間に負荷(スマートフォンなど)が接続されたときに、リチウムイオンが+極に移動することで電圧が発生して電流が流れます。リチウムイオンは数が有限ですので、すべてのリチウムイオンが+極に移動すると電池切れとなります。逆に「充電をする」というのは、電流を流すことで+極に移動したリチウムイオンをー極に戻すことを言います。

電池劣化は、何度も充電や放電をしているうちにリチウムイオンが+極やー極にくっついて移動できなくなったりして移動できるリチウムイオンの数が減少することで発生します。※他にも要因がありますが一般的な例です。



――よく「電地が減った」とか「電地がなくなった」なんて言いますが、実際に電池の内部のなにかが減っている、ということではないのですね。

そうです。

電池を使って電池残量が減るのはリチウムイオンが+極に移動することで、これは充電によりー極に戻せばもとに戻りますのでリチウムイオンの数は減ってません。電池劣化は、+極にくっついてしまうなど移動できるリチウムイオンの数が減ることを言います。

上記のとおり、低温の環境では、電解液の粘度があがることでリチウムイオンが動きにくくなります。その結果、電地が劣化したのと似たような状態(移動できるリチウムイオンの減少)になり、電池持ちが短くなることがあるのです。

――なぜ、寒いとイオンの動きが鈍くなるのでしょうか?

電解液の粘度があがるからです。

電池内部の電解液は、水と同じ化学物質です。水も温度が低くなると凍ってしまうように、電池内部の電解液も低温になるとリチウムイオンが移動しにくくなると考えてもらうとわかりやすいかもしれません。

――寒くない場所に行けば、電池のパフォーマンスは元通り改善されるのですか?

はい。元通りになります。


冬のスマホ、寒さ以外の大敵とは?



――バッテリーのパフォーマンスの低下以外で、冬によく起こることはほかにもありますか?

冬季は外気温もそうなのですが、実は室内との温度差によって起こる結露もまた問題になることが多いのです。

――結露とは具体的にはどんな状態を言うのでしょうか?

簡単に言うと 「温かく湿った空気が、冷たいモノに触れると、モノの表面に水滴や曇り(モノに付着した水)が発生する現象」です。

スマートフォンは結露に対しても考慮して設計されていますが、注意すべきポイントがあります。

スマートフォンの充電端子は、外部に露出している端子ですので、結露を防止する設計をすることが難しいです。

たとえば、極端な低温で湿度が高い環境で充電した場合、結露によって充電端子付近に水分が発生し、埃などが付着してしまうことで、充電をしたときにショートや、発熱や故障、最悪の場合は出火の原因にもなってしまう可能性もあります。





――結露になってしまう条件を教えていただけますか?

冷凍室で水を凍らせたペットボトルを室温で放置すれば結露は発生しますが、イメージとして、表面を冷やしたスマートフォンで、冬場の暖房が効いた部屋を想定して28°C 湿度80%程度の環境で実験してみましょう。



――スマホに結露を起こさないためには、どんな注意をすればいいのでしょうか?

ひとつは、家の中でも寒い場所(暖房がない玄関など)で充電しないことです。

この場合、スマートフォン表面は外気で冷たくなっているのですが、充電により発生する熱で温度差が発生してしまい、場合によっては結露発生の要因になります。

あとは、寒い環境からすぐに暖かい環境に移動することを避けて、少し馴染ませるというか湿度が低い常温環境に一定時間置いておくのが良いのですが、なかなか普通にスマートフォンを利用する人では難しいと思います。スマートフォンの電源を切らさない、寒い環境から暖かい部屋に入る前に少しスマートフォンを人肌で愛情をもって温めてあげるのもよいかもです。

――なるほど。その他、冬の時期ならではのスマホにまつわる注意点がありましたら教えてください。

冬の注意点というと寒さにばかり目が行きがちですが、寒さ以外にも、夏と同じように高温による電池劣化にも注意が必要です。

当たり前ではありますが、こたつの中や暖房器具の周りなどにスマートフォンを放置したり、カイロとスマホを同じポケットに入れることなどは避けましょう。冬季は寒さだけでなく、高温にもぜひ気をつけてください。

本格的に寒くなってくるこの季節。スマホの電池にとってもケアが必要になる季節でもあるようだ。今回、「電池先生」が解説した冬のスマホバッテリーの注意点に気をつけながら、寒いシーズンも快適なスマホライフを過ごしてほしい。

【今回の結論】

・寒くなるとスマホのバッテリーの減りは早くなるが、故障ではない
・寒いところから暖かい場所など、寒暖差により充電端子付近の結露による埃の付着には注意
・カイロの入ったポケット、こたつ、ストーブ、暖房器具付近などにスマホを放置しないように気をつける

文:TIME & SPACE編集部

※この記事はTIME & SPACEの転載記事です

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