今年で創業19年目になる同社は、見晴らしの良い東京・中央区晴海のタワーオフィスにて、不動産業者が物件情報をポータルサイトに掲載する際のシステムの提供や、不動産業者向けのHPの作成、広告戦略のコンサルティングなどの事業を行っている。
そんな同社の社員はみんな“猫好き”。愛猫との「同伴出勤」が認められている同社では、現在働く社員の半数以上が猫を飼っており、社員は毎日飼い猫を連れて出勤しているという。
この日、飼い主とともに出社していた猫は6匹。三毛猫や黒猫などの個性豊かな猫たちが自由に社内を走り回ったり、いたずらをしたり、そばに寄ってきたりとマイペースに過ごしている環境のなかで社員たちは日々業務を行っている。
同社は社内イベントも豊富で、社長や社員の誕生日を猫と一緒にお祝いしたり、寒い冬には猫と格闘しながら、和気あいあいと楽しく鍋を囲むこともあるという。猫たちの茶目っ気あふれる様子に社員同士の会話も自然と弾み、“猫中心”の社内は、いつも和やかでアットホームな雰囲気に包まれている。代表取締役の福田英伸氏に“猫とともに働く”企業を設立した理由や経緯、思いを聞いた。
―編集部 御社は「猫と働くIT企業」といわれていますが、そもそもどうして猫連れ出社がOKになったんでしょうか?
―福田氏 もともと19年前に起業したんですけれど、その時からすでに社内に猫がいたんです。当時は会社がマンションの一室という規模で、創業当時に働いてくれていた社員が猫を飼っていたので、「一人でお留守番をしているなら、連れてきちゃいなよ」と僕が言って、なりゆきで連れてくるようになって以来、いつも猫が会社にいるようになりました。多い時で8匹くらいの猫が出社していましたね。
―編集部 どのくらいの頻度で、皆さん会社に猫を連れてきているのですか?
―福田氏 ほぼ毎日ですね。自転車のかごに入れて毎日連れて来る社員が多いです。弊社に連れてきている子たちはみんな保護猫なんです。今では恵まれない猫の助けに少しでもなれたらという思いで、保護猫を保健所からもらってきたり、捨てられていた子を拾ってきたりして飼っているんです。
―編集部 みんな保護猫なんですね。
―福田氏 はい、我が家からも二匹連れて出社しています。うちの会社では、保護猫を飼っている社員には毎月お給料とは別に5千円ずつ給料に上乗せする「猫手当て」という制度もあるんです。
―編集部 「猫手当て」が支給されるんですね。そういった取り組みを進める思いは?
―福田氏 はい、ただ単にIT事業を行うだけではなく、保護猫を社員たちが引き取って育てることで、動物や自然にやさしい、社会全体を考えた環境づくりや、本当の意味での「裕福な社会」づくりに貢献できたらと思っています。
―編集部 仕事中は、猫ちゃんたちは大人しくしていますか?
―福田氏 紙を食いちぎったり、いろいろなやんちゃをしていますね（笑）。
―編集部 今も元気に走り回っていますよね（笑）。社員の方も皆さん猫好きだと思いますが、職場に猫ちゃんがいるのといないのでは違いますか?
―福田氏 僕は会社を立ち上げた当初から猫が社内にいるので、猫がいないオフィスを知らないのですが、猫がいるおかげで社内の雰囲気はやわらかくて温かいものになりますね。うちの業務は打ち合わせをするにしても、お客さんと会議をしていても、猫が近くに寄って来て、猫が中心になりますし、お昼ご飯を食べる時も、いつもそばにいるので和んでいます。猫と触れ合うことでリフレッシュできますね。
―編集部 一方で、猫が苦手というタイプの方もいますよね?
―福田氏 そうですね、いるとは思いますが、うちの会社は猫ありきですね。不動産業者のお客さんの家で猫を飼い始めて、猫つながりで遊びに来るお客様もいらっしゃいますし、おやつとか猫じゃらしのお土産を持ってきてくれたりと、逆に猫がいることでつながりもできますよ。
―編集部 確かに猫好きの方は、すごく集まってきそうですね。
―福田氏 はい、弊社は現在、猫好きの学生さんや営業、プログラマー、SE、Webデザイナー、ライターなどの技術職の求人募集も行っています。猫がいる、やわらかくて温かい雰囲気がある会社なので、猫好きの方はぜひ応募してください。
