長年の相棒黒猫のハルと共に住み慣れない場所に突然連れてこられた直実は、現実を受け止めきれないまま、浮遊しているかのように毎日を過ごす。
直実を取り巻くキャラクターも、色々難ありばかり。郊外の小さな出版社に勤める直実の後輩で妊婦の愛子(岸井ゆきの)は天真爛漫さの裏に複雑な問題を抱え、信頼できるのは直実だけ。直実の叔母明日子(美村里江)も誰もが羨むセレブ生活を送るも虚無感は消えることはなく、その裏には誰にも言えない叶えられない望みがあった。さらに直実の前に突如現れた日本を代表するスター俳優、時戸森則(岩田剛典)も実態がつかめない、空気のような存在。
一見するとドロドロした世界に見える本作の中で、見る者に優しい癒しを与えてくれるのは、鶴見辰吾、大森南朋、永瀬正敏らイケおじたち。天涯孤独となった直実に手を差し伸べ、自身が持つ高級マンションへ呼び寄せた叔父・雅博(鶴見辰吾)はとにかく直実の味方で優しく明るいキャラクター。またドラマの“ナギサさん”役で視聴者を「おじキュン」させた大森南朋は、過去に直実が担当した小説家吉田を演じる。
さらに、謎の男というミステリアスな役を演じる永瀬正敏や、直実の上司で優しい口調で直実を諭す良き理解者の柏木(高橋洋)など脇を固めるベテラン俳優たちの演技にも注目だ。
『空に住む』は、10月23日(金)より全国公開。