総務省のモバイル市場アクション・プラン、「メアド持ち運び」も無意味ではない | RBB TODAY

総務省のモバイル市場アクション・プラン、「メアド持ち運び」も無意味ではない

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総務省のモバイル市場アクション・プラン、「メアド持ち運び」も無意味ではない
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 総務省が10月27日に「モバイル市場の公正な競争環境の整備に向けたアクション・プラン」を公表した。このプランでは、「分かりやすく、納得感のある料金・サービスの実現」「事業者間の公正な競争の促進」「事業者間の乗換えの円滑化」を3つの柱としている。



 MVNOやキャリアのサブブランドといった低料金で利用できる通信事業者の選択肢が増え、SIMロックも条件を満たせば購入時に解除できるようになるなど、以前に比べると携帯事業者の乗り換えがしやすい環境は整いつつある。にもかかわらず携帯料金の高さに不満を感じながら乗り換えに積極的でないユーザーがいるのは、「分かりづらい」「面倒くさそう」というイメージからだろう。それをより整備し、「不満があるなら自分で携帯会社を変えましょう」というのが今回のアクション・プランだ。

「メール持ち運び」も乗り換えユーザーの“新規開拓”には効果


 乗り換えを促すという観点でみると、ネットでは「意味がない」という声も上がっている「キャリアメール持ち運び」も、意外と効果が期待できるのではないだろうか。これは、キャリアが発行するドメインのメールアドレスを携帯事業者が代わっても引き続き使えるようにするもので、具体的な実現方法はまだ示されていないが、「必要に応じて機能開放を含めた取り組みを実施」するとされている。もちろん、多くのスマホユーザーにとっては、「今さらキャリアメールなんて…」という感じだろう。現在のLINEの普及状況をかんがみると、今でもキャリアメールを日常的に使っているのは年齢層の高いユーザーだと予測できる。

 ガラケーからスマホに変えたものの、LINEなどの新しいツールはよく分からないから引き続きキャリアメールを使っている。あるいは、自身はLINEを使っているけれど、日頃連絡をとる同世代の友人・知人にメール利用者が多いというシニアユーザーの場合、「メールアドレスを変えたくないから携帯会社を変えない」という人も一定数いるだろう。同時に、ガラケーに比べて高額なスマホの料金に不満を感じているシニアユーザーも少なくないはずだ。そういった人たちにとっては、「メールアドレスを変えずに携帯料金を安くできる」というのは魅力的に映るのではないだろうか。

 平成30年版情報通信白書によると、インターネット利用者のスマホ利用率は、60代で約55%、70代で37%、80歳以上で約30%となっている。他の世代に比べたら少ないとはいえ、シニアのスマホユーザーは「無視しても構わない少数派」ではなくなってきている。これらの層に訴求できる施策を用意することは、乗り換えをするユーザーの裾野を広げる意味ではまったく無意味なものとは言えないはずだ。 

eSIM推進を新たなハードルにしないための工夫も必要


 一方で少し気になるのは、「eSIM推進」だ。SIMカードの郵送での受け取りや差し替えが不要になる点は確かに便利なのだが、eSIMの認知度がまだそれほど高くないことを考えると、「よく分からないから今のままでいいや」という反応を招いてしまう恐れもありそうだ。

 新たな施策が逆に乗り換えのハードルとなるような事態を防ぐために、各携帯事業者がWebサイトの乗り換え案内ページなどでeSIMについて分かりやすく説明することや、SIMカード・eSIMの両方を利用可能なケースでは、eSIMばかりを推奨するのではなく、従来のSIMカードも選べることを明示するなどの工夫が必要になるだろう。

《酒井麻里子》

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