大谷紀子による同名漫画を実写化した本作。大手メガバンクのエリート銀行マン・香芝誠（尾上）が、左遷先で出会ったのは、金魚すくい店を営む美女・吉乃（百田）だった。香芝は、仕事だけに打ち込もうとするも、彼女が頭から離れなくて……という物語。今回のイベントには、百田や尾上のほか、共演の柿澤勇人、石田ニコル、そして真壁幸紀監督が登壇した。
タイトルにちなみ、撮影を通して“すくってもらったこと”を語り合うことに。百田は劇中でピアノ演奏に初挑戦したことを回顧。彼女自身、音楽の世界にいながらも、楽器に触れる時間となると後ろ向きな気持ちになっていたと告白する。しかし、そばで尾上が応援してくれたようで、撮影が休みにも関わらず、大事なピアノシーンに顔を出してくれたと明かした。
また、昨年末に開催された『ももいろ歌合戦』では、百田がピアノ演奏をし、尾上が劇中歌を熱唱する時間も設けられた。百田は当時について「こんなに不安定なピアノで、生放送で歌うってそうとうやりづらいですし、普通だったら『やめない？』ってなると思うんです。でも、リハーサルから、どんなに私が弾き間違えても、嫌な顔ひとつせずに『大丈夫。もう一回やろう』って常に言ってくださって、本当に心強かったです」とポツリ。続けて「松也さんとじゃなかったら、いろんな挑戦ができなかったと思います。またお仕事でご一緒できるときには、もうちょっと成長できているように頑張ります。本当にありがとうございました」と感謝を述べた。
彼女の言葉に、尾上は深々と一礼。石田や柿澤からも、本作の座長として現場を盛り上げたと明かされると、尾上は「感動した！」と小泉元総理のモノマネで笑いを誘った。
そんな彼は百田との共演について、同じシーンを演じることが多かったと振り返りつつ「本当にフランクに接してくださったし、リラックスできる空気を作ってくださったのも感謝しています」と述懐。彼も『ももいろ歌合戦』については思い出があるようで「本番終わった後、（百田が）涙を流されていたのですが、僕自身もグッときて、“もっとしてあげられることが、あったんじゃないか”って……。（このように）撮影が終わっても熱意をもっていられる作品に出られて役者冥利に尽きます」と語っていた。
映画『すくってごらん』は、全国劇場で公開中。
