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映像の配信には2種類ある。希望日時とともに事前応募する方式で実施された1000会議限定の「特別Zoom」は、動物側がホストとなったZoomミーティングが用意され、そこに応募者が個人やグループ単位で入室するスタイル。動物の映像が「参加者の1人」として画面に表示される点が特徴だ。
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もうひとつの「自分でZoom」は、画面共有機能を使って動物の映像をZoom内に表示するもの。あくまでも画面共有なので、先述の特別Zoomのようにグリッド表示される参加者の一枠として動物が表示されるわけではないが、リアルタイムの動物映像を会議参加者が共に楽しむことができる。こちらは特設サイトから24時間誰でも利用可能だ。
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映像はいずれも、このプロジェクト専用に配信されているもの。ペンギンやホワイトライオン、カバといった各施設で人気の動物をはじめ、野生の猫としては世界最小級のスナネコや、フラミンゴなどの水辺の鳥類も見ることができる。
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さらに、バーチャル背景用の静止画および動画も提供。商品パッケージも各施設で生まれた動物の赤ちゃんの写真を使用した特別バージョンが展開されている。動物の映像で癒やしを提供すると同時に、コロナ禍で苦境にある動物園を応援しようという企画だ。
普段は見られない場所の映像を配信
今回の企画の参加施設のひとつである姫路セントラルパーク広報の幸崎氏、動物部の西角氏に話を聞いた。
同園では、ホワイトライオンおよびホワイトタイガーのライブ映像を配信している。カメラが設置されているのは、いずれも一般の来園者が入ることのできないバックヤード部分。普段は見られない貴重な動物の姿を楽しめるのが魅力だ。タイミングがよければ飼育員が食事を与えている場面などに遭遇できる可能性もあるという。
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今回の企画以外でも、動物のライブ映像を独自に配信している。最初の配信は昨年春の最初の緊急事態宣言時だったという。
「緊急事態宣言で休園になる5日前に、チーターの赤ちゃんの展示を開始したばかりでした。その姿をお客さんに届けるため、『日本一癒やされるサイト』と銘打ったサイトを作り、ライブ配信を行いました」
毎日1時間実施したインスタライブは、飼育員が10分程度近況などを話した後、残りの50分は映像を流しているだけの状態だったが、約1000人の視聴者がそれを「見守る」コミュニティが育ち、人気を博した。配信中に激しく動き回るために頻繁に画面からフレームアウトし、画面に人工芝しか映っていないことが多かったというエピソードに由来して「しばふ」という名前も決まったという。
しばふは現在は一般公開されていないが、本企画の商品パッケージに登場している。また、その後に生まれた2頭のチーターの子どもは母親と一緒に同園で公開中だ。
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運営は厳しいが、今後に向けた準備も進行中
兵庫県神戸市にある同園は、3度目の緊急事態宣言を受けてゴールデンウイークを含む4月25日から5月14日までの期間を休園した。現在は感染対策を十分に実施したうえで営業を再開しているが、来園者数はきわめて少ない状況にある。
「昨年の緊急事態宣言解除後はGoToキャンペーンの後押しもあって多少の盛り返しがみられましたが、宣言が解除されていない今回は雰囲気が全く違い、やはり普通ではない状況だと感じています」
休園中も動物たちの餌や薬などの費用は変わらず必要で、世話をする職員も休むわけにはいかない。通常の3分の1程度の飼育員で対応するなどして経費削減をすすめ、「どうにか維持している状況」だという。
厳しい状況にはあるものの、今後に向けた新たな準備も進めているそうだ。同園ではこれまでも、人間が檻に囲まれたバスに乗って園内をめぐる『サファリ・ザ・ライド』などのユニークな企画を実施してきたが、この先も、より新しい楽しみを感じられるような展示をしていきたいとのこと。
「これからも可能な範囲でさまざまな情報発信をしていきたいと考えています。今回の企画はちょうど休園のタイミングに重なりましたが、その間も動物たちを見てもらえる機会ができてよかったと感じています。配信では動物の普段は見られない部分も見ることができるので、この機会にぜひご覧いただければと思います」