同作は髙石と伊澤が演じる、“女子高生の殺し屋コンビ”杉本ちさと&深川まひろが、高校卒業を機に「オモテの顔」として社会に馴染むために奮闘する青春映画(7月30日~テアトル新宿、8月20日~シネ・リーブル梅田ほかで全国順次公開)。同作で、杉本ちさとを演じる髙石に、役柄を演じた感想や同作の見どころなどを聞いた。
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―― 今回、演じられた杉本ちさとというキャラクターについて、教えてください。
ちさとは、殺し屋と女子高生という表と裏の顔を持っている女の子なのですが、性格上の二面性もあって、天真爛漫で嘘がつけない真っすぐなところと、物事を俯瞰で見ているような、達観している部分もある子です。どっちが本当のちさとなんだろう? という揺れを、見ていただいた方に感じてもらえたらいいなと思います。
―― “女子高生で殺し屋”という難しい役どころですが、どのように役作りをしたのでしょうか。
日常シーンは目力をあまり出さず、だるーっとした表情にしたり、殺し屋のときは、目線の動かし方を変えて、キリッと瞳孔を開くような表情にしたりと、自分なりに表現の仕方を考えました。監督が殺し屋のシーンでは、ジャッキー・チェンさんのような雰囲気を出したいとおっしゃっていたので、ジャッキー・チェンさんのいろいろな作品を見て、体の使い方や余韻、目の動きなどを勉強しました。
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―― 髙石さんご自身も現在18歳で、この春に高校を卒業されましたが、心境面で役柄と重なる部分はありましたか。
はい、年齢的にも内面的にも、自分と似ているなと感じるところが多くありました。私自身も、ちさとのように物事を遠目から見ている自分もいれば、真ん中に行って楽しんだり、皆を引っ張っていく自分もいて。自分でもどれが本当の自分なんだろう? と分からずにいたので、そういう部分もちさとと共通しているなと思いますし、親や大事な人に対してのぶつかり方とか甘え方も似ているなと思います(笑)。
―― アクションやガンアクションのシーンは圧巻でしたが、練習はたくさんされましたか?
はい、専門の先生に銃を撃つときの構えや心構えなども教わりましたし、銃を自然に持っているように見せたかったので、愛着が湧くように家にも持ち帰って、ずっと触っていました。撮影の休憩時にも肌身離さず持っていたので、通りすがりの人に驚かれたこともあったくらいです。
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―― 劇中ではメイド喫茶の店員さんになるシーンもありますが、衣装を着た感想はいかがでしたか。
メイド喫茶の衣装を着たのは初めてだったので、スカートが短くてドキドキしました(笑)。撮影現場には本物のメイド喫茶の店員さんがいたので、いろいろな質問をして、「萌え萌えキュン!」というメイド喫茶のあいさつの言葉や受け答えを教えてもらって、実際に使わせていただきました。
――同作の挿入歌を、伊澤さんとヒューマンビートボックスで有名なDaichiさんと一緒に歌われていますが、歌唱に挑戦した感想は?
まさか歌わせていただけるとは思っていなかったので、驚きました。私は以前、ダンス&ボーカルグループで活動していたのですが、卒業後はお仕事で歌を歌ったことがなかったので、レコーディングまでの期間は死ぬ気で練習をして…。レコーディング前は、伊澤さんと「私たちで大丈夫かなあ」と話していたのですが、完成した曲を聴いて、このメンバーでできて良かったなと思いました。
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―― プライベートの時間は、どんなことをしていますか。
最近、陶芸を始めたので、手びねりに挑戦したり、おうちで過ごす時間は、テレビでたくさんのスポーツを観戦しています。今はいろんなことに興味を持って見たり、やってみたりして、たくさんのことを吸収して自分の幅を広げていきたいです。
―― 今後はどんな女優さんになっていきたいですか。目標とする人は?
キラキラした表情が画面いっぱいにあふれるような女優さんを目指したいなという自分もいたり、生々しい人間の欲みたいな部分が表に出るような繊細かつ人間味あふれるお芝居ができる女優さんになりたいと思う自分もいます。目標にしている女優さんは、大好きな石原さとみさんや満島ひかりさんです。
■髙石あかり プロフィール
2016 年にダンス&ボーカルグループ「a-X’s(アクロス)」のメンバーとしてデビュー。
卒業後、女優活動を本格化。2020 年舞台「鬼滅の刃」で竈門禰豆子役に抜擢され話題を集める。
その後も主演舞台「地縛少年花子くん-The Musical-」や舞台「バクステ!!」などの話題作に出演。
1月には映画『ある用務員』(阪元裕吾監督)が公開され、『とおいらいめい』(大橋隆行監督)など公開作も控える。
2021 年夏には再び舞台『鬼滅の刃』其ノ弐 絆の竈門禰豆子役として出演予定。本作で映画初主演。