安子はなぜ、愛する夫を奪った国の言葉を学ぶのか? 自問自答が切ない『カムカムエヴリバディ』29話 | RBB TODAY

安子はなぜ、愛する夫を奪った国の言葉を学ぶのか? 自問自答が切ない『カムカムエヴリバディ』29話

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『カムカムエヴリバディ』第30話 (c)NHK
『カムカムエヴリバディ』第30話 (c)NHK 全 3 枚
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 9日、NHK連続テレビ小説『カムカムエヴリバディ』の第29話が放送。安子(上白石萌音)の苦悩が描かれた。

 12月25日。クリスマスの盛り上がりの前に、安子のおはぎの売れ行きは芳しくない。すると、先日安子が助けた米軍将校ロバート(村雨辰剛)が再び現れる。自然と覚えた英語で、安子はロバートと会話を交わす。

 だが「少し話がしたい」というロバートに戸惑う安子。まだおはぎが売れていないというと、ロバートはそれらを全て買い上げ、ある場所に招待する。そこは進駐軍のオフィスだった。

 立派な洋風の館を前に緊張気味の安子だったが、意を決して入る。ロバートがおはぎを口にして「美味しい」と言うと、ようやく顔をほころばせる安子。そこでロバートから「どうして英語を勉強しようと思ったのか。ほかに大きなモチベーションがあるはず」と尋ねられる。

 これに安子は、夫・稔(松村北斗)の出征、娘るいの誕生、るいに歌ってはいけない英語の子守唄を聞かせたこと、さらには稔の戦死などをロバートに語り聞かせる。

 そして、「どうして私はまだ英語を勉強しているの?」と、稔との思い出である英語を未だに学ぶ意味を自らに問いかけながら、ロバートに「教えてください。あなたは私のような市民を助けるためにここにいるんでしょう?」と、やるせない気持ちをロバートにぶつけてしまう。

 つらい中にあっても、安子にとってラジオから英語を学ぶことは、稔とつながれる幸せな時間のはずだった。そしていつしか、流暢に話せるほど上達していた。だがそれは、稔を奪った国の言葉。大いなる矛盾に気づき、立ち止まる安子。さらにそんな英語を、父親を知らない我が子に教えている意味も見失う。今作の大テーマである「ラジオ英語講座を題材にした3世代、100年の物語」のターニングポイントでもある回となった。

 10日放送の第30回。ロバートに招かれ、将校クラブに立ち入った安子。これまでの人生で見たこともない絢爛豪華な会場の空気に圧倒され、稔の命を奪った国の豊かさを前に、ぼう然と立ち尽くす。そしてロバートは、安子をこの場へ連れてきた意味を語り始める。

《杉山実》

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