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本作のヒロイン、チン・ハギョン(パク・ミニョン)と若き気象予報士を演じるイ・シウ(ソン・ガン)が、第2話の最後でともに一夜を迎え「展開が早い!」と思った人も多いことだろう。「二度と社内恋愛はしない!」と心に誓っていたハギョンだが、今後二人の関係はどうなっていくのか気になるところだ。
ラブコメの新たな女王として話題作への出演が続くパク・ミニョン。そこで彼女がこれまでどのような役柄を演じてきたか、振り返ってみたい。
『キム秘書はいったい、なぜ?』で完璧秘書を好演
『キム秘書はいったい、なぜ?』(2018年)では、パク・ソジュンが演じる大企業副会長のイ・ヨンジュンを支えるパーフェクトな秘書、キム・ミソを演じた。
抜群のルックスを持ち、仕事もできる完璧な男性・イ・ヨンジュンの素顔は上から目線でものを言う超ナルシスト。そんなヨンジュンに文句ひとつ言わず、9年間完璧に秘書の仕事をこなしてきたのがミソだった。
まさに24時間上司のために時間を捧げているミソの有能な仕事ぶりが鮮やか。それだけでなく秘書としてTPOをわきまえつつも、おしゃれなスーツで颯爽と歩くパク・ミニョンがなんとも魅力的だ。
物語は、ある日突然「会社を辞めます」と宣言するミソを慌てて引き留めるヨンジュンによる駆け引きがおもしろおかしく描かれ、それがのちに2人のラブロマンスへと発展していく。
個人的には、パク・ミニョンの美しさが最も堪能できる作品なのではないかと感じる。
『彼女の私生活』で、オタクの実態をユーモラスに演じる
『彼女の私生活』(2019年)では、仕事中毒と呼ばれる美術館キュレーター、ソン・ドクミを演じたパク・ミニョン。
有能なキャリアウーマンだが、休日になると全身黒装束で人気アイドルを追いかけるディープなオタク役を演じた。
日頃は冷静な判断でテキパキ仕事をするドクミだが、愛してやまない人気アイドル・シアンのこととなると、まわりが見えなくなってしまう。まさにシアンを追いかけるためだったら、地の果てまで行きかねない勢いをユーモアたっぷりに演じている。
ドクミが勤務する美術館に館長としてやってくるライアン・ゴールドを演じるキム・ジェウクとのやり取りも笑える。クールなイメージを持つキム・ジェウクが、パク・ミニョンのオタク活動に巻き込まれ、もみくちゃにされるシーンは爆笑必至。
「仕事ができるキャリアウーマン」と「アイドルに夢中になるオタク」といった両極端なキャラクターを上手く演じ分けているパク・ミニョンの底力を見ることができる作品だ。
『気象庁の人々:社内恋愛は予測不能?!』ツンデレ上司で新境地
そして今作『気象庁の人々:社内恋愛は予測不能?!』では、気象予報士として活躍するキャリアウーマンを演じているパク・ミニョン。
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同期を押しのけ最年少で課長に就任するという有能ぶりを見せつけ、これまで同様「できる女性」を演じているが、部下と恋愛に発展していく設定は初めてではないだろうか。
正統派美人だけれど、その外見に似合わない表情や行動を演技で魅せるパク・ミニョン。今後『気象庁の人々:社内恋愛は予測不能?!』でどのような表情を見せてくれるのだろうか…。
第3話(季節の変わり目)、第4話(視程)あらすじ・感想(ネタバレあり)
第3話は、酔っぱらった末にイ・シウ(ソン・ガン)とベッドを共にし、茫然とするチン・ハギョン(パク・ミニョン)の姿から始まった。会社へ遅刻して大切な会議に支障をきたすなど、らしくない行動をとるハギョンに気象庁の同僚たちは驚く。
慌てふためくハギョンを演じるパク・ミニョンが抜群だ。ドタバタと会社へ駈け込んでくる姿、風邪をひいて大きなくしゃみを連発する姿など、ラブコメの女王として本領発揮といったところだろうか。
いつもどおりクールに仕事をこなそうとするハギョンだが、シウのことが気になって仕方がない。
「一度寝たぐらいで、付き合ってとは言わない」というシウ。しかしくしゃみを連発するハギョンのおでこに手を当てて「熱がある」と言うシウにドキドキしてしまう始末だ。
元婚約者のハン・ギジュン(ユン・バク)と仕事上で対立して言い争いになったり、年上の部下オム・ドンハン(イ・ソンウク)ともギクシャクしたりするなど、ハギョンは翻弄される。
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そしてハギョンはギジュンとの結婚生活のために購入したマンションや買いそろえた家電製品を売り払うというミッションも抱えていた。
ある時、オークションに出品した空気清浄機を購入したいという人物が現れ、取引をすることに。驚くことに取引に現れたのがシウだった。シウには譲ることができないと断るハギョン。
しぶしぶ納得したシウだったが、オークション出品に不慣れなハギョンにアドバイスをして、無事に空気清浄機を売ることに成功。そのお礼にハギョンはシウに食事をごちそうする。
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食事をしながら、マンションや家電製品をなぜ処分するのかとハギョンに問うシウ。「思い出が詰まっているマンションだから処分すべき」というハギョンに、「思い出が詰まっている心も処分できますか? 捨てても過去は変わらないから後悔すると思う。課長は後悔しないで」と言うシウ。
年下とはいえ、時に心を揺さぶる言葉を発するシウにハギョンは明らかに心を惹かれている様子だ。そんなハギョンの心を見透かしたかのように「僕が好きですか? 好きなら付き合うし嫌いなら付き合わない」と問うシウにハギョンはドギマギするが、「職場の上司と部下、それだけよ。忘れましょう」と立ち去るところで第3話が終わる。
第4話では、職場でのシウとの距離感に悩むハギョンの姿が描かれる。「彼女ができたのか」と冷やかされているシウの姿を見てなぜかヤキモキし、当てつけのように大量の仕事を指示するハギョン。「これってパワハラですか?」とシウはハギョンに詰め寄る。
そんな時、ギジュンの妻でシウの元彼女の文民日報気象記者、チェ・ユジン(ユラ)が、ハギョンに取材を申し込んできた。濃霧によって事故が多発しており、なぜ韓国で濃霧特報を出すことができないのか、言及する記事を執筆するためだ。
しぶしぶ取材に応じるハギョンだが、後日内容を歪曲したユジンの記事が発表され、気象庁は大騒ぎになる。そのことで立場上ギジュンも上司に責められ、ユジンと喧嘩をしてしまう。
歪曲した記事に対して、ユジンに強く抗議をするハギョン。本庁予報局長のコ・ボンチャン(クォン・ヘヒョ)は、ハギョンの行動を褒め、そして「なぜ韓国に濃霧特報がないのか」という特集記事を書くように命じる。
ハギョンは、実家を出てギジュンと住むはずだったマンションで夜を徹して資料を調べ、記事を執筆する。シウに電話をして意見を聞いたり調べものを頼んだり、挙句の当てにシウがマンションに差し入れを持って現れるなど、「これは完全にパワハラではないか」と視聴者は思ってしまうだろう。
ところが、さすが韓国ドラマ。大ドンデン返しが用意されていた。
第3話の最後でハギョンとシウが決裂したと思ったが、実は立ち去ろうとしたハギョンが振り返り、シウのもとへ走りキスを交わしていたのだ。
気象庁内で決してバレないように、ハギョンはシウと付き合うことを決意。「バレたら私たちの関係は終わり」というハギョンに優しくうなずくシウ。
ハギョンとシウの関係はこれではっきりしたが、第4話は、シウの元彼女・ユジンがシウにしつこく電話をしてくるシーンで終わっている。
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ギジュンとの結婚生活に不満が出始めたユジンが、何やらよからぬことを企んでいるような様子がうかがえる。今後も波乱が起きそうだ。
※Netflixシリーズ『気象庁の人々:社内恋愛は予測不能?!』独占配信中