涙なしでは見れない最終回!韓国ドラマ『気象庁の人々:社内恋愛は予測不能?!』 | RBB TODAY

涙なしでは見れない最終回!韓国ドラマ『気象庁の人々:社内恋愛は予測不能?!』

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涙なしでは見れない最終回!韓国ドラマ『気象庁の人々:社内恋愛は予測不能?!』
涙なしでは見れない最終回!韓国ドラマ『気象庁の人々:社内恋愛は予測不能?!』 全 5 枚
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気象庁を舞台に、チン・ハギョン(パク・ミニョン)とイ・シウ(ソン・ガン)を中心に人間模様が描かれた本作が、最終回を迎えた。(以下、ネタバレあり)


気象庁の人々のそれぞれの人生が動き出す



仕事も恋愛も真剣に向き合うシウ


シウの父が運ばれた病院で、ハギョンは担当医から「肺に腫瘍があるので検査をしたほうがよい」と言われ、同じ頃、シウはハギョンの母(キム・ミギョン)と会っていた。

妊娠が分かったチェ・ユジン(ユラ)は、経済的な理由や自身のキャリアを考え、出産を諦めたいとハン・ギジュン(ユン・バク)に言う。

オム・ドンハン(イ・ソンウク)は、娘・ボミの誕生日に家族3人で食事をしようとしたが、またしても仕事ために家族との約束を破ってしまった。

こうして、気象庁に勤務する人々のさまざまな人生が、動き出そうとしていた。


ハギョンの母、シウの父が土壇場で見せる親の愛



ハギョンの母に何を聞かれても素直に答えるシウ


「学歴は?職業は?ご両親は何をやっているの?」と付き合う相手にプレッシャーをかけ、「早く結婚しろ!」と迫る母を持つハギョン。仕事もせずに賭け事ばかりする父から金を要求されるシウ。いわゆる「毒親」を持つ二人は「好きだから、一緒にいたいから結婚する」というシンプルな行動を取ることが難しい環境だ。

シウは「自分でも手に余る父親なのに、愛する人に同じ苦労させたくない」という想いでハギョンに別れを告げ、その気持ちを理解したハギョンも受け入れた。しかし別れた事実を知ったハギョンの母とシウの父が、最後の土壇場で親の愛を見せてくれたのが、この物語で最も感動するところではないだろうか。

父親が姿を消したと病院から連絡を受けたシウは、行方を必死に探すが見つからず、電話もつながらないため途方に暮れる。夜になってようやく父親からの電話を受けたシウ。居場所を尋ねるが、それには応えず「チン課長と別れるなんてもったいない。意地を張らずにすがるんだ」と諭す。

余命いくばくもないと悟ったシウの父親は、やけ酒を飲もうと病院を抜け出したものの最後に父親らしいことを言いたいと思ったのか、これまでとは180度異なる姿を見せた。

「俺は父親失格だから、治療の必要はない」と言う父に「最後ぐらい父親らしいことをしてくれよ。僕にいい思い出を残してくれ」と絶叫するシウ。二人の電話でのやり取りが涙を誘う。

シウの父親は登場してきた時から「クズ親」全開だったが、妻(シウの母)を亡くし、仕事中の事故が原因で長らく休職中だということが明らかになっている。不幸な出来事が続き自暴自棄になってしまったことで、シウと気持ちがすれ違ってしまっていたのだ。

本当はシウと向き合いたいという気持ちがあったのだが、男同士本音を言い合うこともできず「金をせびる」ということで、なんとかシウと接点を持とうとしてきたのかもしれない。

そしてもう一組の親子、ハギョンと母親の関係も大きく変わろうとしていた。

シウが父親と電話で話して涙しているところを、偶然通りかかったハギョンの母親が目撃していた。そんなシウを食事に誘ったハギョンの母は「この世で一番バカなせりふは、『愛してるけど別れた』よ。憎たらしいうえに偽善的なせりふだわ」と言う。「愛しているのに別れるなんておかしい。それほど娘を愛していなかったのね」と言うハギョンの母に向かって、シウは「違います! 課長が負担に感じていると思ったから…。本当はとても悲しい」と本音をもらす。

その後ハギョンの自宅へ行き、シウとのやり取りを聞かせたハギョンの母。「明日の天気の予報より、今日の天気を観察しなさい。好きな人の顔をしっかり見て今日をきちんと生きないと、予報も当たらないわよ」となんとも胸にグッとくるせりふを言う。

シウの父もハギョンの母も毒親ではなかった。親といえども、妻に先立たれ仕事でけがをして身体が思うように動かせなくなると、気持ちがすさむだろうし子どもに甘えたくもなる。

夫が自ら命を絶ってしまったショックから、簡単に立ち直れるものではなく、娘たちにはつらい思いをさせまいと口うるさいことを言ってしまうのだろう。

親も完璧な人間ではない、子どもとともに成長し、親子がきちんと向き合って思いをぶちまけることがどれだけ大切なのかということを2組の親子が示してくれた。そして最終的に、ハギョンもシウも、足かせだと思っていた親の問題に向き合ったおかげで、お互いがどれだけ大切な存在なのかを改めて思い知るようになり、よりを戻すことができた。そんな二人に拍手を送りたくなった。


親になる覚悟を決めたギジュンとユジン



仕事と育児の両立に自信が持てず一時は出産を諦めようとしたユジンだが…


結婚生活に疑問を持ち、実家へ戻っていたユジン。ギジュンと和解して自宅に戻ったものの、妊娠が分かり憂鬱な気分を味わっていた。同僚の記者が産休に入ることで、目標だったコラムを担当することが決定していたからだ。

「女性は子どもを産むと、記者としての勘がにぶる」というとんでもないモラハラ発言をする上司の言葉が頭の中をリフレインし、その上、子育てにかかる費用の不安ものしかかってくる。

ユジンから出産を諦めたいと言われ、ショックを受けるギジュンだが、子育てサイトを見ていろいろなことを調べているうちに、子どもの誕生を楽しみにしている自分に気付き始めていた。

ハギョンに対して強烈な「ダメ男」だったギジュンが、「君と赤ん坊のためにもっと頑張るよ」と言って、優しく頼りがいのある父親の顔に変わっていく。その姿を見ていると感慨深いものがあり、胸が熱くなった。

父親になることで自覚が芽生えたギジュン



「気象庁の人々」それぞれ新たな人生が始まる



気象庁総括2課のメンバーもそれぞれの生活で、抱えていた問題に答えを見つけつつあるようだ。

オム・ドンハン(イ・ソンウク)は、10年ぶりに娘の誕生日をレストランで祝うことができず落ち込み、3カ月の猶予を待たずに自分から離婚を申し出る。ある日、気象庁内で寝泊まりしているドンハンのもとを妻が訪ね、今まで抱えていた思いをぶちまける。「私が聞きたかったのは、ごめんという言葉じゃない。待っていてくれてありがとうという言葉なの!」と言われたドンハンは、やっと妻の気持ちを理解し、二人は和解した。

試験を受けるために休職中の夫を支えるオ・ミョンジュ(ユン・サボン)は、家事を積極的に手伝うようになった夫に「合格にこだわらなくていいよ。そのままでも愛しているから」と励ます。

気象庁の仕事が自分に向いているのかどうか悩んでいたキム・スジン(チェ・ソウン)は、新人予報官たちに頼りにされ、仕事にやりがいを見出してきた。

独身貴族の予報官・シン・ソクホ(ムン・テユ)は、ハギョンの姉・テギョンに「あなたは僕の初恋です。愛しています」と告白し、絵本作家であるテギョンのために尽力する。

天気用語とともに描かれてきた本作。さまざまな気象状況が、人間関係にも当てはまるものなのだと感心しながら見てきた。

最後にハギョンが、気象庁のレジェンドで、的中率1位を誇る気象庁予報局長(クォン・ヘヒョ)に「天気を当てる秘訣は何ですか?」と質問した時の局長の含蓄ある答えを紹介したい。

全国一予報を当てたのも自分だが、全国一外した予報官も自分であることをハギョンに伝え「失敗を重ねたことで成功よりもよい経験値が得られ、おのずと的中率が上がった。当てることが重要ではなく、失敗することが秘訣」だと。そして「失敗したらつらいけれど、ひたすら耐え忍び、自分の決定を尊重する。誰よりも最善を尽くしたと自負しているから」とも。

人生にも当てはまる、深い言葉に思えてならない。

※Netflixシリーズ『気象庁の人々:社内恋愛は予測不能?!』独占配信中

■筆者プロフィール

咲田真菜

舞台・映画・韓国ドラマの執筆を手掛けるフリーライター。映画『コーラスライン』でミュージカルに魅了され、あらゆる舞台を鑑賞。『冬のソナタ』で韓国ドラマにハマって以来見続け、その流れで韓国映画、韓国ミュージカルにも注目するようになる。好きなジャンルはラブコメ、ファンタジー、法廷もの。ドロドロした愛憎劇は苦手。好きな俳優はイ・ビョンホン、イ・ジョンジェ、ヒョンビン、キム・ドンウク、チャン・ギヨン。いつか字幕なしで鑑賞したいと韓国語を勉強中。

《咲田真菜》

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