是枝監督最新作にして初の韓国映画『ベイビー・ブローカー』制作報告会にソン・ガンホら豪華キャスト!
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是枝裕和監督の最新作『ベイビー・ブローカー』が6月24日に公開される。このほど、韓国にて制作報告会イベントが開催された。
同作は、海外の才能たちと本格的なセッションに踏み出した『真実』に続き、韓国の製作・俳優陣と長年温めてきたオリジナル企画を映画化した是枝監督初の韓国映画。 「赤ちゃんポスト」をきっかけに出会った、赤ん坊の母親、ベイビー・ブローカーの男たち、そして彼らを現行犯逮しようと静かに追いかける刑事。作中では、彼らが絡み合いながら繰り広げる、一風変わった旅路が描かれている。先日、第75回カンヌ国際映画祭(5月17日~28日)にて「コンペティション部門」へ正式出品されることでも話題を読んだ同作。同映画祭で是枝監督作品が同部門に選出されるのは、最高賞のパルムドールを受賞した2018年の『万引き家族』から4年ぶり、6回目(カンヌ国際映画祭への出品自体は、8回目)のこと。主演を務めるのは、2020年アカデミー賞で作品賞を受賞した『パラサイト 半地下の家族』でも主演を務めたソン・ガンホ。
10日に開催されたイベントには、主演のソン・ガンホ、カン・ドンウォン、イ・ジウン(IU)、イ・ジュヨンといった韓国キャスト陣、さらには日本からのリモート出演で是枝監督も登場。カンヌ国際映画祭への出品決定が決まったことについての想いを聞かれた是枝監督は「あの場所は何度行っても本当に緊張しますし、喜びでもありますし、この作品にとっては本当に最高のワールド・プレミアの場所に選んでいただいたなと思っています」と並々ならぬ思いを吐露。
同作の企画のはじまりについて問われた是枝監督は「2016年頃にふと思いついたプロットがありまして、これなら自分の頭の中にいる韓国の役者の方々と一緒に映画が作れるのではないかと。その思いつきがきっかけでした。神父の格好をしたソン・ガンホさんが赤ん坊を抱き上げて、すごくいい人に見えるんだけど実は......、そんなワンシーンを最初は思い浮かべていました」と、初期の貴重なプロットの内容とともに今作の企画に至るまでのエピソードを披露した。
続いて、作品の紹介を改めて問われ、「赤ちゃんポストというのは日本にも存在していて、前から関心を持っていたんですが。韓国にも同じようなものがあると聞きまして。そこに預けられた一人の赤ちゃんを巡って、そこに善意と悪意が絡まりながら、赤ん坊と一緒にいろんな思惑をもった人間たちが旅をしていく、そういう話にしたいと思って作った映画です」と説明した。
ソン・ガンホは是枝監督からオファーがあった当時のことを尋ねられ、「正確な年度は覚えてないですが、6~7年前に、釜山映画祭で初めてミーティングをしました。昔から是枝監督の作品世界のファンでしたし、尊敬する芸術家ですので、とても光栄でした。監督の映画を見ていると、先入観かもしれませんが、冷たい話の中に暖かいヒューマニズムが描かれて終わる印象でしたが、この作品を経験したら、監督の冷徹な現実直視により、温かいストーリーの中でも、冷静な視線で社会を俯瞰している感じがして、とても感動しましたし、新しい挑戦でもあり、ワクワクする作業でした」と是枝監督との初のコラボレーションに感無量の様子。
様々な巨匠たちとタッグを組んできたソン・ガンホだが、是枝監督ならではの部分について問われると、「日本の巨匠監督に対する先入観ですが、緻密で完璧に計算されたディレクションであるとよく耳にしてました。ところが、是枝監督は本当に自由にリラックスさせてくれて、限りなく役者たちの感性を尊重し、引き出してくれて、とても驚きました。やはり巨匠たちはみんな共通してるなと、役者にすべてを任せるんだと思いました。もちろん監督の中では全てが整理されていると思いますが、現場では役者たちの話を聞きたがっていて、とても立派な形の作業でした」と明かした。
最後に、是枝監督は「本当にここに並んでいただいている方に加え、ペ・ドゥナさんも含めて、韓国映画界の宝物のような役者さんたちと、韓国映画界を代表するスタッフの方たちに集まっていただいて、自分自身も納得ができる大好きな作品になりましたし、カンヌ国際映画祭でのお披露目という素晴らしいスタートを切ることができて、この後韓国での公開を控えて、韓国の映画ファンの方に作品を届けられることを本当に嬉しく心待ちにしています。公開時期にはオンラインではなく、韓国にお伺いして直接この映画を届けられればと思いますので、楽しみに映画の公開を待っていただければと思います。ありがとうございました」と挨拶し、イベントは幕を閉じた。
《KT》
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