そこで今回注目したのが、MSIから4月に発売された「Summit E13 Flip Evo A12Mシリーズ」。モニター部分が360度回転する、いわゆる2in1ノートPCとなっており、タッチ機能付きなのでタブレットのようにも利用できる。
そんな、マルチな使い方ができる「Summit E13 Flip Evo A12Mシリーズ」は、普段使いにベストなマシンではないだろうか? 実際にマシンを使って試してみることにした。
ラグジュアリーの粋を感じさせるアルミ削り出しボディ
さて「Summit E13 Flip Evo A12Mシリーズ」は、MSI 製ノートPCに3ラインあるカテゴリの中でも、「ビジネス&ライトクリエイターノートPC」に属する1台となっている。このカテゴリのノートPCは日常的なビジネスシーンでの利用を想定しており、薄型軽量かつデザイン性にも優れているのが特徴だ。
ちなみに、「ビジネス&ライトクリエイターノートPC」には3つのシリーズが用意されているが、その中でも「Summitシリーズ」はパフォーマンスだけでなくデザイン性も追求されており、すべてのモデルがジュエリーのように上品な美しさを備えている。

「Summit E13 Flip Evo A12Mシリーズ」を手に取った時も、そのメタリックな美しさに思わず目を引かれてしまった。アルミ削り出しのボディはトップがマットブラックに塗装されている分、ゴールドをあしらった側面の輝きが際立つ。やや赤みを帯びたその色合いがとても個性的で、日の光などを浴びるとキレイに輝いていた。
なお、「Summit E13 Flip Evo A12Mシリーズ」は黄金比に基づいた16:10のアスペクト比で、解像度WUXGA(1,920×1,200)の「Golden Ratioディスプレイ」を採用したため、やや縦長なフォルムとなっている。これにより見た目の美しさを追求するだけでなく、ディスプレイの作業領域が広くなっているのも嬉しいポイントだ。

ビジネス向けモバイルマシンとしてはトップクラスの性能
「Summit E13 Flip Evo A12Mシリーズ」の美しさを色々な角度から堪能したところで、いよいよそのパフォーマンスに切り込んでいこうと思う。同機の主なスペックは以下の通り。
【Summit-E13FlipEvo-A12MT-038JP】
・OS:Windows 11 Pro
・ディスプレイ:13.4インチ/WUXGA(1,920×1,200)/120Hz(ペンタッチ対応)
・CPU:インテル Core i7-1280P(14コア(6P+8E)/最大4.80 GHz/24 MB キャッシュ)
・メモリ:32GB
・SSD:1TB(M.2 NVMe)
・無線LAN:IEEE802.11a/b/g/n/ac/ax
・WEBカメラ:207万画素(顔認証機能対応)
・I/Oポート:Thunderbolt 4 Type-C×2/USB 3.2 Gen1 Type-A×1/HDMI×1/ヘッドホン出力・マイク入力 コンボジャック×1
・本体サイズ:W300.2×D222.25×H14.9mm
・重量:1.35kg
【Summit-E13FlipEvo-A12MT-037JP】
・OS:Windows 11 Pro
・ディスプレイ:13.4インチ/WUXGA(1,920×1,200)/120Hz(ペンタッチ対応)
・CPU:インテル Core i7-1280P(14コア(6P+8E)/最大4.80 GHz/24 MB キャッシュ)
・メモリ:32GB
・SSD:512GB(M.2 NVMe)
・無線LAN:IEEE802.11a/b/g/n/ac/ax
・WEBカメラ:207万画素(顔認証機能対応)
・I/Oポート:Thunderbolt 4 Type-C×2/USB 3.2 Gen1 Type-A×1/HDMI×1/ヘッドホン出力・マイク入力 コンボジャック×1
・本体サイズ:W300.2×D222.25×H14.9mm
・重量:1.35kg
2つのモデルの違いはSSDの容量だけで、他のスペックはすべて同じ仕様となっている。中でも注目なのは、やはりディスプレイだろう。アスペクト比が16:10とあまり見ない比率となっており、フルHDよりも解像度が縦に120ピクセル長い。
13.4インチディスプレイのサイズは一般に幅296mm×高さ167mmと言われているが、「Summit E13 Flip Evo A12Mシリーズ」のディスプレイは高さ179mmと1cm以上長かった。つまり、それだけ多くの情報を表示できるということで、縦長のサイトなどを表示するのに便利そうだ。リフレッシュレートも120Hzと高く、タッチ操作した際のレスポンスも小気味よい。
「Summit E13 Flip Evo A12Mシリーズ」公式サイト

その上で、「インテル Evo プラットフォーム」対応モデルならではの優れた基本性能も、ビジネスの役に立ってくれそうだ。同プラットフォームは、ここ数年にリリースされたハイエンドPCが採用しているもので、CPUやWi-Fi、バッテリーなどで高い性能を誇っている。
ここで注目したいのが、製品名に使用されている「A12M」という表記だ。これは、本機が採用している「インテル Core i7-1280P」が、最新の第12世代CPUであることを表している。内蔵GPUには「インテル Iris Xe グラフィックス」を搭載。旧来のCPUよりもグラフィック性能が向上しており、カジュアルなゲームなども十分に楽しめるだろう。
なお、インテルではモバイル向けの第12世代CPUを全13製品ラインナップしているが、その中でもインテル Core i7-1280Pは、Iris Xeを採用したモデルの中で最もコア数/最大周波数/キャッシュ容量が高い。つまり、現在リリースされているビジネス用途に向けたノートPCの中で、「Summit E13 Flip Evo A12Mシリーズ」は最もハイエンドな製品の一つといってよいだろう。SSDはM.2 NVMe接続、メモリはLPDDR5規格と、細部もきちんとポイントを押さえた構成となっている。

その他、無線LANは現行で最速を誇るWi-Fi 6に対応。大容量なファイルを素早くアップロードできるほか、高解像度な動画もスムーズに視聴できる。
そして、ポート類については充電にも利用するThunderbolt 4(USB Type-C形状/USB PD対応)に加え、USB Type-Aも備えているのが嬉しいポイントだ。これなら、手持ちのUSBメモリやUSBマウスといった周辺機器を、いちいちUSBハブを介さずに利用できる。トレー式のmicroSDスロットが用意されており、カードを挿しっぱなしにしておけば、ストレージ容量を疑似的に増やせるのもポイントが高い。



プライベートでの利用にはタブレットスタイルが便利

さて、ここまではノートPCとしての「Summit E13 Flip Evo A12Mシリーズ」の魅力を見てきたが、今度はディスプレイを回転させて、2in1ノートPCとしての使い勝手も紹介してきたい。
現在、筆者はテレワークを行っており、基本的には自宅にこもって仕事をしている。その中で同機をいろいろなシーンに使い倒してみたのだが、この2in1ノートPCという特性は、特にプライベートシーンとの相性が良かった。要は一般的なタブレットと同じ使い方になるが、ソファやベッドに寝そべって動画やWebサイトを見るときなどに、キーボードが場所をとらず、タッチ操作できるタブレットは非常に使い勝手がよい。
これについては本機が13.4インチと、比較的にコンパクトなデザインになっていることも大きいだろう。家中のどこにでも気軽に持ち運ぶことができ、机に置かなくても操作ができる。上の写真のようにテントモードにすれば設置面積を抑えられるので、どこかに置いて利用したいときも、場所に困らないのが大きな魅力だ。

さらに、本機には「MSI Pen」というMSI独自開発のスタイラスが付属しているので、買ったその日からペンタブとしても利用できる。
テレワークが一般化したことで、離れた場所にいる人と共同作業する機会が増えた。その中で苦労しているのがコミュニケーション――現場作業における指示などの伝達だが、そこに手書きという表現方法が加わるのは、一つの武器になりそうだ。Zoomなどで画面を共有すれば、簡単なスケッチなども共有可能。いちいち書類を印刷しなくても、ファイル上に直接注釈を書き加えられるので、意思の伝達がよりスムーズに行えそうだ。
なお、このスタイラスには磁石が内蔵されているので、「Summit E13 Flip Evo A12Mシリーズ」の側面にピタリと張り付く。こういう利便性はオフィシャルグッズならではといえるだろう。
「Summit E13 Flip Evo A12Mシリーズ」公式サイト


Web会議やセキュリティに高性能カメラが大活躍!
テレワークが普及する中、ビジネスシーンでビデオ会議の利用が増えている。「Summit E13 Flip Evo A12Mシリーズ」ではビデオ会議を快適に行うために、207万画素の低ノイズWebカメラを採用。さらにモニター上の額縁部分に、4つの収音マイクをWebカメラと並べて配置することで、会議における音質も向上させている。
実際にカメラの映像を確認したが、照明をつけずに外光だけ入れた部屋でも、顔が暗くならずに映っていた。カメラの明るさとコントラストはWindows 11の「設定」から変更できるが、普通にWeb会議をするだけなら特に調整する必要がない。本体側面には物理的にWebカメラの機能をオンオフするスイッチがあるので、会議を行わないときはオフにする癖をつけておけば、プライベートの様子をうっかり流してしまう心配もないだろう。

さらに、ビジネスシーンにおいては、その優れたセキュリティ機能も活躍してくれそうだ。「Summit E13 Flip Evo A12Mシリーズ」には標準で「Tobii Experience」というアプリがインストールされており、先に紹介したWebカメラと連携して、マシンのセキュリティを強化できる。具体的には……
・プライバシー画面……ユーザーがパソコンの前にいない時、画面にモザイクを掛ける
・覗き見検知……覗き見している人を検知して、画面にモザイクをかける
・Windowsの自動ロック……ユーザーがパソコンの前から離れると、Windowsをロックする
といった機能を用意。他にも、バッテリー節約用に“ユーザーがパソコンの前から離れると画面の輝度を下げる”機能も用意されており、これはタブレットとして本機を使う時などにも役立ちそうだ。



さて、「Summit E13 Flip Evo A12Mシリーズ」の各機能を一通り使ってみたわけだが、結果として同機はビジネスの第一線で活躍できるスペックを持ち、タブレットスタイルにすればプライベートでも扱いやすく、見た目もラグジュアリーで持ち歩きたくなる1台という結論になった。……ちょっと盛りすぎな気もするのだが、これがすべて事実なのだから、およそ日常的な利用シーンにおける万能選手といってよいだろう。
ビジネスにもプライベートにも利用するモバイルノートを探しているなら、「Summit E13 Flip Evo A12Mシリーズ」は有力な選択肢となりそうだ。
「Summit E13 Flip Evo A12Mシリーズ」公式サイト