高校生だった2年前、YouTubeチャンネル「kuro-obi world」(黒帯ワールド)に、腹で強烈な突きを受け続ける動画(「高速パンチ女子高 生を殴ってみたら鋼鉄ボディだった!」/2022年7月現在、再生数580万回以上)が投稿されると、「鋼の腹筋女子高生」と話題沸騰し、動画は現在も再生回数を伸ばし続けている。
その目代選手(現在は女子大生)が、今年9月にポーランドにて開催される「新極真会 第7回全世界ウエイト制空手道選手権大会 ポーランド」の女子重量級(+60kg)に出場し、世界一を目指す。
前述の動画には「めっちゃ可愛い」などのコメントも多数寄せられており、「美人女子大生空手家の世界制覇なるか?」と注目を集めている。目代選手にインタビューを行い、世界大会にかける意気込みと、将来の夢を聞いた。
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――空手を始めたキッカケから、教えてください。
小学1年生の6歳のときに始めました。お母さんが、小学生になったら何かスポーツをやらせたかったそうで、テニスや弓道など、色々と見に行きました。その中で、空手が一番しっくりきたみたいで、自分から「空手をやりたい」と言ったそうです。はっきり覚えているわけではないのですが、当時、「プリキュア」が大好きで、戦う女の子をかっこいいなと思っていましたので、その影響が大きかったと思います。
――それで、空手少女になったのですね。
小学生のときは、学校でフルコンタクトの空手をやっている女の子はいませんでした。全国大会で入賞することが何回かあったのですが、そのことを友達に話すと、男の子にまで知れ渡って、男の子たちから「目代、怖い~」って思われてたみたいです(笑) 男の子とケンカをしたことは、幼稚園のころはありましたが、空手を始めてからはないですね。
――それから、ずっと、続けられているのですね。
高校2年生のときに、全国大会とアジア大会で優勝しました。去年の全日本の無差別級で4位に入賞し、今年の階級別の全日本では3位を獲りました。9月に、ポーランドで開催される世界大会に出場します。
――稽古は辛いと思いますが、やめたいと思ったことは?
数えきれないほどあります(笑) 覚えているのは、中学校に進学するときに、部活というものにずっと憧れていたので、本当に、やめようかなと悩みました。ただ、負けず嫌いの性格で、どんなことでも本気になってしまうタイプなのですが、「空手は小学6年生で全国1位になってやめよう」とずっと思っていました。結果が全国2位だったので、「2位じゃ、やめられない」と思いました。
高校2年生のときに、初めて、全国優勝したのですが、その時は、アジア大会の日本代表にも選ばれていて、もう、空手をやめたいという気持ちはありませんでした。
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――空手を始めて、成長したと感じたところはありますか。
社交的になった気がします。道場の人がみんな明るくて、その影響で、前よりも友達ができるようになりました。友達を作るときに、ずっと、自分から話しかけることができず、声をかけられるのを待っちゃうタイプだったのですが、最近はそれもなくなって、大学の入学式のときは、自分から話せるようになってました。
――9月の世界大会は、「+60kg」級で出場されますが、2回戦で「93kg」の選手と対戦する可能性がありますね。
空手は、ウエイトや身長に差があっても、戦いようはありますし、小さな選手や軽い選手が勝つことも、普通にあります。ただ、今の私は60kgちょっとなのですが、さすがに、それだと、ウエイトに差がありすぎるので、これから筋トレをして、体重を増やします。
――「鋼の腹筋」が、さらに強化されるわけですね。
腹筋を鍛えるのは、空手家としては、当然のことです(笑)
――腹筋は、割れてますか?
割れてます。……四つくらいに(笑)
――空手家のボディは、女の子としては、どうなのでしょう。
体がごつくなっちゃうと、女の子らしい洋服を着ることができないので、さみしいところはありますよ。夏は強化稽古が入っているので、女の子らしいバカンスを楽しんだ思い出もないんです。これまでの人生の中で、細くなったことがないので、細くなって、憧れのファッションを堪能するのが夢です。選手を引退したら、思いっきり、細くなりたいです。
――ちなみに、大学では、空手をやっていることは話すのですか?
自分からはほとんど言わないのですが、体育の授業で着替えるときに、腹筋を見られて、バレました(笑)
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――お友達は、「鋼の腹筋」を、何とおっしゃっていましたか?
みんな、指さして、唖然としてました(笑)
――初恋の話を、お聞きしてもいいですか。
初恋と言っていいのか分からないのですが、中学1年生のときに応援団をやっていて、団長だった3年生の先輩に憧れてました。
――理想のタイプの男性は?
優しい方がいいです。外見的なことだったら、身長が高い方がいいです。私が168センチあるので、10センチ高いといいなと思います。男の方とヒールを履いて、並んで歩いてみたいんです。
――空手家としての目標と夢を教えてください。
まずは、9月のウエイト制の世界大会で優勝することです。ウエイト制の世界大会は4年に1回、開催されて、それが今年あります。無差別級の世界大会も4年に1回なのですが、それが、来年あります。今年、ウエイト制で世界一になって、来年、無差別級でも世界一になることが目標です。
夢ということでは、空手をもっと広めたいです。方法としては、YouTubeをやることかもしれないですし、バラエティ番組に出たりすることもかもしれないのですが、空手を広めることができるのなら、やってみたいです。
――女優さんとかは、どうでしょう。
空手を一番活かせるのはアクションかなと思いますので、アクション女優さんにも、挑戦してみたいです。
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インタビューに気さくに答えてくれた目代選手。空手の関係者に聞くと、得意技の「突き」が速くて正確なうえ、KOするために急所を狙う突きや、ポイントを稼ぐための突きなどを、巧みに使い分ける高い技術を持っているそう。蹴りも得意で、世界大会では、優勝を期待されている選手の中の1人だそうだ。
そんな目代選手だが、素顔は、礼儀正しく、笑顔がチャーミングな19歳の女の子だった。将来については、色々な可能性に満ちているという印象だったが、まずは、9月の世界大会で、「美人女子大生」が世界一を成し遂げるのかに注目したい。