ジフンは検事を退官し弁護士になってからも、父であるキム・ユンソプ(ナム・ミョンチョル)の自殺と婚約者、イ・ジュヨン(イ・チョンア)が殺害された事件について真相を追い続けてきた。
いよいよ核心に迫り、ジフンとペク・マリ(キム・ジウン)、事務長のサ・ムジャン(パク・ジヌ)は黒幕と対峙することになる。(以下、ネタバレあり)
ジュヨンを殺害した真犯人を見つけたジフン

高級なスーツを着た男性、チャ・ミンチョル(クォン・ヒョクボム)が事件の依頼をすべくジフンの事務所を訪ねてきた。ジフンはその男がジュヨンを殺害した人物だと見抜く。
それは父と婚約者の命を奪った黒幕を追い続けてきたものの、全く手掛かりがなかったが、一気に事件が動き出す瞬間でもあった。そんなジフンに対してマリとムジャンは「事件解決のために協力をしたい」と申し出る。
第10話~第12話では、これまでジフンを苦しめてきた父と婚約者の死の真相に迫る物語が展開されていく。ただ第7話~第8話のようにシリアスな雰囲気で物語が進んでいくわけではなく、いつもの明るいジフンが戻ってきて、マリとムジャンがそんなジフンとともに奮闘する様子が描かれている。
マリとムジャンの協力を受け入れたものの、2人を危険なことに巻き込むことを躊躇するジフン。ジュヨンを殺害したのがミンチョルだと確信し、一人でオフィスに乗り込んでいく。普段は理性的なジフンだったが、愛するジュヨンを殺した敵を目の前に、ナイフを手にして刺し殺そうとしてしまう。
2人が対峙する場面で、ジフン演じるミンが鮮やかなアクションを見せる。あっという間にミンチョルを投げ飛ばし、顔面にナイフを突きつける。いつもの陽気さはなく、抑えることができない怒りに満ちたまなざしのジフン。このドラマでハードボイルドなナムグン・ミンを堪能できるシーンだといえるだろう。
【ディズニープラス】オリジナルの新作から話題作まで配信中
マリの祖父は黒幕の仲間なのか?

結局ジフンはミンチョルを刺すことができなかった。刺し殺そうとした時「あなたには笑顔が似合う」と言っていたジュヨンの言葉を思い出し、我にかえったのだ。
その瞬間、まだ事件と向き合うのは時期が早いと判断するジフンだったが、もう一つ気掛かりなことがあった。チャ・ミンチョルとマリの祖父であるペク・ヒョンム(イ・ドクファ)が親しく話しているところを目撃してしまったからだ。
そこをクリアにしなければならないと判断したジフンは、マリとムジャンの前から姿を消してしまう。
姿を消す前、ジフンはマリにトレードマークのサングラスを手渡す。すでにドラマの中でも明かされているように、ジフンがサングラスをかけるようになったのは、ジュヨンの死をきっかけに涙を他人に見せないためだった。
マリが号泣する出来事が起きることを予感させ、ドギドキした。ペク法律事務所は、JQグループの弁護をしていたため、完全にマリの祖父はクロなのだと覚悟した視聴者も多かったと思う。
しかし結果的にマリの祖父はシロだった。そういう意味でマリが泣き明かすことはなかったのだが、ジフンが1年間マリの前から姿を消してしまったことが思いのほか堪え、ナ・イェジン検事(コン・ミンジョン)と酒を飲みながら泣くマリの姿があった。
ジフンのことを一人の男性として恋しく想っているのではなく、同志として裏切られたと思い込み涙を流すマリに心を打たれた人も多かっただろう。
再会シーンは、マリが花束でジフンを叩きのめし、ムジャンはジフンの顔面を拳で殴りつけるというエキセントリックなものとなった。相変わらずの3人に爆笑した人もいるだろうが、一方で絆の深さが垣間見れる場面でもあり胸が熱くなった。
黒幕との対決は出演者総出で

ジフンの父の自殺とジュヨン殺害の黒幕は、JQグループ会長のチェ・ギソク(チュ・ソクテ)だった。
ギソクを演じるチュ・ソクテは、キム・ドンウク主演ドラマ『その男の記憶法』でストーカー殺人犯を演じており、なかなか強烈な印象を残していたが、今回もサイコパスな役で登場した。
ギソクという人物は一筋縄ではいかず、二転三転しながら追い詰めていくのだが、ジフンのまわりにいるすべての人物が総出でギソクを追い詰めていく展開になった。
終盤、ジフンがギソクに捉えられ殺されかけるのだが、そこもマリやムジャンのみならず、マリの祖父・ヒョンム、ナ・イェジン検事、検事を辞めて弁護士となったソ・ミンヒョク(チェ・デフン)のチームワークで、見事に乗り切った。そのおかげでジフンは特別検事となり、JQが関係してきた悪事をすべて裁くことができた。
笑いあり、涙あり、ハードボイルドありの本作は、勧善懲悪でラストを迎えた。そして物語のエンディングでは、韓国時代劇『ヘチ 王座への道』で怪演を見せたチョン・ムンソンが依頼人としてカメオ出演し盛り上げ、ジフンが引き続き受任料1000ウォンの弁護士として、弱者に寄り添い続けていくことが示唆された。
ナムグン・ミンの演技力、新たなコメディーの女王として期待ができるキム・ジウン、そして脇を固める出演者の魅力が光る本作。終わってしまい、ロス決定だ。
※『わずか1000ウォンの弁護士』ディズニープラス スター独占配信中
(c) 2022 Disney and related entities
【ディズニープラス】オリジナルの新作から話題作まで配信中
■筆者プロフィール
咲田真菜
舞台・映画・韓国ドラマの執筆を手掛けるフリーライター。映画『コーラスライン』でミュージカルに魅了され、あらゆる舞台を鑑賞。『冬のソナタ』で韓国ドラマにハマって以来見続け、その流れで韓国映画、韓国ミュージカルにも注目するようになる。好きなジャンルはラブコメ、ファンタジー、法廷もの。ドロドロした愛憎劇は苦手。好きな俳優はイ・ビョンホン、イ・ジョンジェ、ヒョンビン、キム・ドンウク、チャン・ギヨン。いつか字幕なしで鑑賞したいと韓国語を勉強中。