芸能事務所が舞台!韓ドラ『エージェントなお仕事』本人役で出演したゲスト俳優まとめ | RBB TODAY

芸能事務所が舞台!韓ドラ『エージェントなお仕事』本人役で出演したゲスト俳優まとめ

エンタメ 映画・ドラマ
『エージェントなお仕事』
『エージェントなお仕事』 全 6 枚
拡大写真
 12月13日、Netflixで配信中の韓国ドラマ『エージェントなお仕事』が最終回を迎えた。フランスの大ヒットドラマ『エージェント物語』をベースに韓国ならではの演出を盛り込んでいた本作は、途中から物語にも独自の展開が。(以下ネタバレあり)

 舞台は芸能事務所「メソッド・エンターテインメント」。物語前半で代表ワン・テジャ(イ・ファンウィ)が亡くなったことで、シーズンを通し、揺れる経営体制が描かれる。古参スタッフ陣でお金を出し合って株を購入する案や、株も権力も持つ総括理事マ・テオ(イ・ソジン)が妻の父からお金を借りて買収を食い止める案などが浮いては消え、最終的にチーム長チョン・ジェイン(クァク・ソニョン)の幼馴染で実業家のク・ヘジュン(ホ・ソンテ)が代表の座に収まった。

 合理主義のへジュンが手綱を握ったことで、ほぼ仕事のない高齢俳優は契約を打ち切られ、その担当者で実働の少ないチョン・ミョンエ理事(シム・ソヨン)も解雇に。しかし、ベテラン俳優イ・スンジェのトラブル発生で、ミョンエはクールにカムバックを果たす。本家フランス版ではアルレット(韓国版:ミョンエ)の解雇騒動は出てこない。きっと、へジュンとその部下サニー・リム(チェ・ギュリ)の淡白なビジネススタイルを際立たせるため、また、ミョンエに華を持たせるために一連の流れを盛り込んだのだろう。

 恋愛模様に関しては、フランス版と異なる方向性を匂わせつつも、結末は同じだった。ジェインに意味深な視線を投げかけていたチーム長キム・ジュンドン(ソ・ヒョヌ)は、結局は所属俳優カン・ヒソン(ファン・セオン)と両思いに。ジェインも特別税務調査官イ・サンウク(ノ・サンヒョン)と真摯に向き合って元サヤに。しかし気になったのは韓国版オリジナルキャラ、リムの存在だ。登場早々にテオの息子で所属俳優のコ・ウンギョル(シン・ヒョンスン)を意識していたが、最終話では映画祭のアテンド係となり、翌朝まで彼の隣をしっかりキープ。もし次シーズンがあるのなら、2人の関係性がオリジナルサイドストーリーとして発展していきそうだ。

 最終話は、フランス版と同じく映画祭関連のパーティーで全員集合し、終わりを迎える。本家では新人カミーユ(韓国版:ソ・ヒョンジュ)が早朝まで元気に踊っていたので、ヒョンジュ(チュ・ヒョニョン)のハジける姿に期待したのだが(やはり『ウ・ヨンウ弁護士は天才肌』のトン・グラミ役が忘れられないので)、しっとりとした雰囲気で終わってしまい、やや消化不良…。と感じたのは束の間! エンドロール後、キャスト総出で「メソッド」流クリスマス会が行なわれる粋な演出があった。最後の最後まで、原作ファンも本作ファンも楽しめる、良きリメイク作だったと思う。

 さて、この作品の醍醐味といえば、豪華俳優陣が本人役で出演していること。どのエピソードも絶妙なキャスティングで、韓国エンタメカルチャー好きは必見。そこで、どの俳優が本人役で出ていたのかを改めて振り返ってみようと思う。

第1話 チョ・ヨジョン



チョ・ヨジョン(Photo by Chung Sung-Jun/Getty Images)


 最初に登場したのは、『パラサイト 半地下の家族』などへの出演で知られるチョ・ヨジョン。タランティーノ監督の新作映画の主演に抜擢されるも、年齢が原因で見送りになってしまう。担当マネージャーのジュンドンがその理由を本人に言えないからと逃げ回り嘘を付いたことで、ヨジョンとジュンドンの信頼関係は崩壊。最終的にテオの力技によりヨジョンは主演の座を保てることになるが、その条件は“お直し”だった。

第2話 イ・ヒジュン×チン・ソンギュ


 『修羅の華』『KCIA 南山の部長たち』など硬派な作品への出演が多いイ・ヒジュンと、『犯罪都市』『エクストリーム・ジョブ』などの“大作”への出演が多いチン・ソンギュが、同じ劇団出身のライバルという設定で登場。実はドラマ『ヴィンチェンツォ』でも詐欺コンビ役としてカメオ出演していた2人。その掛け合いがとにかく面白く、ヒジュンがソンギュに対して「“小規模でも意味のある作品に出たい”というのは嘘だろ。なぜ『スペース・スウィーパーズ』に出た?」とこぼす、“素っぽい”反撃などがたまらない。

第3話 キム・スミ × ソ・ヒョリム


 第3話は、実生活でも嫁姑であるキム・スミとソ・ヒョリムの回。2人は仲良しではあるが、姑役と義娘役での共演話には及び腰に。それぞれ相手を気遣いながら降板を画策するも失敗し、結局は監督の前でお互いの本音を打ち明ける。しかしそのやりとりが妙にリアルで、ここの場面はお芝居なのか本当なのか怪しいところ……。監督側からお断りされようとワガママ娘を演じるヒョリムと、幽霊が見えるように振る舞うスミの演技がコミカル。

第4話 スヒョン



スヒョン(Photo by Jon Kopaloff/Getty Images)


 映画『アベンジャーズ』や『ファンタスティック・ビースト』シリーズへの出演など、ハリウッドを拠点に活動するスヒョンが、産休明けに韓国でワンオペ育児をしながら復帰を目指す回。ドラマ『マイネーム: 偽りと復讐』のようなアクション作品を熱望し、アクションコメディ映画への話が進みかけるが、ベビーシッターの手配や出張ロケの浮上など様々な問題に直面してしまう。スヒョンは実際に2020年に妊娠・出産を経験しており、2021年に韓国ドラマ『キマイラ』で復帰。実際の苦い体験が反映されているようだった。

第5話 オ・ナラ×パク・ホサン、ヨンタク



オ・ナラ(Photo by Chung Sung-Jun/Getty Images)


 ドラマ『マイ・ディア・ミスター~私のおじさん~』でも共演していたオ・ナラとパク・ホサンが再び共演。恋愛映画の主演にも関わらず犬猿の仲の2人に、撮影クルーもマネージャーたちも振り回されてしまう。ナラは身体を張ってホサンへの苛立ちを表現し、ホサンはドラマ『刑務所のルールブック』カイスト役を一瞬再現してツッコミ待ちをするなど、嬉々として演じる2人が印象的。オチも大変愉快だ。また、サブストーリーにはトロット歌手のヨンタクが登場。あまりにも演技が下手だからと脚本家にドラマから抹殺されそうになるのだが、その大根役者っぷりが面白おかしい。

第6話 キム・スロ×キム・ホヨン


 舞台に情熱を捧げるベテラン俳優キム・スロと、ミュージカル界のスターであるキム・ホヨンが共演。舞台『ドン・ジュアン』の演出を手がけるホヨンは、主演スロにプールに入って演じるように指示。しかしスロは水恐怖症で、それを隠すためにホヨンにいちゃもんを付け、2人は仲違いしてしまう。ホヨンの誕生日パーティーではしゃぐスロの姿が微笑ましい。

第7話 キム・ソヒョン×ジュノ


 ミュージカル界のおしどり夫婦、キム・ソヒョンとソン・ジュノがそのまま夫婦役として出演。深夜、ソヒョンが男友達と一緒にいたところをパパラッチされ、夫婦仲は険悪に。夫婦で新番組『ラブラブミュージカル』の司会役に決定していたことから、事務所の面々は2人の関係修復に奔走する。ラスト、お互い自分の気持ちに素直になる場面は、2人の本音のようだった。

第8話 キム・ジフン


 ドラマ『ペーパー・ハウス・コリア:統一通貨を奪え』で世界的にその名を知らしめたキム・ジフンが登場。ライバル事務所との契約満期を控えたジフンを引き抜こうとあらゆる手を尽くすジェインは、その過程でジフンのこれまでの決断を肯定。「安泰の週末ドラマの出演をやめて2~3年ハングリー精神で耐え、『悪の花』でイメージを変えて『ペーパー・ハウス・コリア』に出たのは賛成です。でなきゃ今もお決まりの役をしていたはず」その後ジフンに「イ・チュンヒョン監督による、主人公が3人いる映画。その中の悪い男の役がぴったり」だと話す。チュンヒョン監督とジフンのコラボレーションが、近いうちに実現することを示唆しているのかもしれない。

第9話 キム・ジュリョン


 キム・ジュリョンがドラマ『イカゲーム』の落下シーンによって高所恐怖症になり、人気バラエティ番組出演が危ぶまれるというエピソード。『エージェント物語』の同回では、撮影のために運転免許が必要だが試験に落ち続けるノルマン・タヴォーの話だったので、今回はジュリョンを軸に大幅にストーリーがアレンジされている。終盤、ジュリョンは「この作品を最後にしようと『イカゲーム』に出て、命がけで頑張った。ヒットしたら人に好かれて応援されるようになり、ありがたく嬉しく思う反面、元に戻るのが怖かった」と話すのだが、きっと台詞ではないだろう。ちなみに、『イカゲーム』で共演していたホ・ソンテとの絡みもあり。

第10話 ダニエル・へニー



ダニエル・へニー(Photo by Alberto E. Rodriguez/Getty Images for Los Angeles Confidential / Hamilton Behind the Camera)


 映画『コンフィデンシャル/共助2:インターナショル』やドラマ『ホイール・オブ・タイム』など、国内外で活躍するダニエル・ヘニーが満を持して登場。へニーを新進監督作品の主演に据えたいと事務所は一丸となって動き出すが、監督が拒否。数年前、監督はへニー宛に脚本を送るも激しく拒絶されていたからだ。勝手にメールを削除していたテオは監督とヘニーを引き合わせまいと水面下で動く。見どころは、へニーが監督に指示されて行なう即興演技。ハリウッドスマイルで応じていたヘニーが一瞬で愛に狂う男になりきるのだが、思わずその続きを観たいと思わせるほど圧倒的だった。

第11話 イ・スンジェ


 国民的なベテラン俳優イ・スンジェが記憶障害に悩まされ、映画降板の危機に。スンジェは自ら事務所に赴き、「これまで自ら降板したことは一度もない」「今回の映画も最後までやり遂げたい」と話し、60年間のキャリアに汚点を残さず終えたいと頭を下げる。しかし、投資会社の社員の健康状態の検査にやってきたタイミングで記憶障害を発症してしまい、事務所のメンバー共々ピンチに陥ってしまう。スンジェが指揮者役を演じる場面の演奏シーンがとても美しい。

第12話 キム・アジュン



キム・アジュン(Photo by Chung Sung-Jun/Getty Images)


 最終話を飾るのは、映画『カンナさん大成功です!』やドラマ『アクシデントカップル』などで知られるキム・アジュン。「釜山国際映画祭」の単独司会者に選ばれるが、当日着用するドレスのことでトラブルに巻き込まれてしまう。大物投資家の娘が、アジュンの海外進出話やドレスを人質に「アジュンを自分のパーティーに参加させろ」とジェインに圧をかけてくるのだ。反撃するアジュンの姿がカッコよく、痛快。

――


 その他、本人出演とまでいかずとも、お! となる固有名詞が頻出。ジェインは社内会議で「チョン・ユミと再契約した」と報告し、ヒソンからテオとの仲を怪しまれたヒョンジュは「ソ・ジソブが実の父」だと匂わせ、テオは「新人チェ・ヒジンを主演に据えようと考えていた」新進監督にスヒョンを提案。広報担当マネージャーのチェ・ジニョク(キム・テオ)は『殺人の追憶』『王になった男』『ブレードランナー』など作品の筋書きや撮影裏話などを交えながら会話を進める。挙げるとキリがないぐらい散りばめられた小ネタを、どうか隅々まで楽しんで観てほしい。

 なお、物語は宙ぶらりんなところで終了する。それもそのはず、今作はシーズン4まである『エージェント物語』で言うと、ちょうど中間地点で終わっているからだ。プロポーズする予定だったジェインは転職&海外勤務&妊娠の話が一気に舞い込み、ヒョンジュはジェインから海外勤務を打診され、ジュンドンはヒソンのキャリア妨害がバレ、テオも妻に何かがバレてしまう。彼らの行く末を最後まで見届けられるよう、シーズン2の更新に期待したい。

※Netflixシリーズ『エージェントなお仕事』独占配信中

■筆者プロフィール 山根由佳
執筆・編集・校正・写真家のマネージャーなど何足もの草鞋を履くさすらいのフリーライター。洋画・海外ドラマ・韓国ドラマの熱狂的ウォッチャー。観たい作品数に対して時間が圧倒的に足りないことが悩み。ホラー、コメディ、サスペンス、ヒューマンドラマが好き。

《山根由佳》

特集

【注目記事】
【注目の記事】[PR]

この記事の写真

/

関連ニュース