モスバーガー「一頭買い 黒毛和牛バーガー」とは一体!?
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昨今の世界情勢の影響で急激な原材料費の値上がりが続き、輸入牛も大きな影響を受けた。モスバーガーでは、黒毛和牛を一頭丸ごと買い付けることで仕入れコストを抑え、690円という驚きの低価格を実現した。一番の目玉は、通常のパティでは使用しないサーロインやヒレなどの高級部位や希少部位まで、まるっと19部位をミックスしてつくった贅沢パティだ。理論上では1枚のパティの中に約15%分のロースやヒレが入っているというから驚きである。
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「一頭買い 黒毛和牛バーガー」のお披露目発表会に登壇したモスフードサービス マーケティング本部長の安藤芳徳氏は、「モスからみんなへのギフトとして、年末年始のプチ贅沢感を味わってもらいたい」と語った。さらに肉のプロ、"肉おじさん"こと、株式会社門崎代表取締役の千葉祐士氏も登壇。千葉氏は最初この一頭買いならぬ、一頭使いしているパティに対して「無理だろう」と思ったという。また、また部位買いではなく、一頭買いをすることで、過小評価さ」がちな経産牛(出産を経験した牛)の新たな価値向上にも繋がるのではないかとの期待感を続けた。
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因みに付け加えると、19部位とは、サーロイン、ヒレ、リブロース、肩ロース、肩バラ、ハネシタ、ミスジ、腕肉、トウガラシ、中バラ、外バラ、カイノミ、フランク、ランプ、イチボ、内モモ、外モモ、シンタマ、スネを指す。これ、ステーキや焼き肉で食べる部位じゃないですか!と驚きを隠せない…。
いざ実食!「一頭買い 黒毛和牛バーガー」の味は?
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バンズからはみ出した豪快なパティが特徴的だ。赤身による歯ごたえと、しつこすぎないながらもジューシーな脂身で、肉感を全面に感じる。ガツンと肉汁溢れるゴロゴロしたパティを想像していたが、意外にもしっかりコクがある上品な味わいだ。各部位の長所を一度に口に運ぶことができる贅沢な逸品である。肉本来の味を楽しめる工夫は、肉の味をバックアップするソースにある。今回「特製テリヤキソース」を新たに開発し、醤油と白味噌ベースのテリヤキソースに、トマトのペーストとピューレを入れることで、甘みと酸味の味わいを深くした。そこに甘酒を加えることでコクと奥行きを引き出した力作だ。
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さらにソースの隠し味には、登壇した千葉氏が代表を務める門崎熟成肉の専門店「格之進」が開発した「牛醤」(黒毛和牛から作られた発酵調味料)が使われている。この隠し味と牛脂を使用することで、どこからどう食べても「牛肉まるごと感」を楽しめる。
今年はお世辞にも景気が良い年とは言えなかった。しかしながら、ワクワク感をかり立てるモスバーガーの取り組みに、気分良く1年を締めくくれそうだ。1年のご褒美として味わってみてはいかがだろうか。
※筆者プロフィール
渡邉香織
全国各地、ジャンクフードから高級フレンチ、赤提灯にコンビニ飯までジャンル問わず、ひたすらリサーチと食べ歩きを繰り返してます。いえなかグルメ、手土産グルメにも自信あり。皆さんが本当に知りたい情報、心を込めてお伝えします!