同作は白血病患者の青年と骨髄提供を依頼された女性、そして2人を支える人たちの葛藤を描く作品。主人公の青年を骨髄移植の経験者である俳優の樋口が演じる。
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企画・原案・主演の樋口は25歳の時に急性骨髄性白血病と診断され、5年間の闘病の後、名前も顔も分からないドナーから提供を受け骨髄移植を行った。ドナー登録は55歳の誕生日を迎えると失効することを説明し、特に若い世代に骨髄移植やドナー登録のことを知ってもらえれば「助かるはずの命が助かる」ことに繋がるのではと考えたと同作に込めた思いを語った。
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金銭の授受もなく誰かから称賛されるわけでもない骨髄提供者を演じた松本は、オファーを受けた際の様子を尋ねられると、「正直、二つ返事ではなかったです」とコメント。難しい役柄であり、また、「女優としてこのお話を受けることで偽善者だと思われるのではないかと思って」とも。ただ、「私は演じること、表現することがお仕事なんだからそれをすることがなんで悪いんだろう」と考えるようになり、オファーを受けたそう。
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ドナーになることに反対する家族を説得する場面の撮影では、松本は「実は、勝手に台本を変えてたんです(笑)」とセリフを自身の思いのままに言葉にしたことを明かした。「映画を通して私が演じた桜井美智子が天使のようには見えたくなくて」とも。脚本も手掛けた両沢監督は「いつもそう思うんだけど、最終的には役者の方が役のことは分かっている。僕よりも」といい、同作でも撮影した映像データを編集しながら「桜井美智子はこういう人だったんだって初めて分かりました」と実感を込めて語った。
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