――プロレスラーとしてデビュー10周年を迎えた節目に引退を決断されましたが、会見で引退を発表されて、今はどんな気持ちで毎日を過ごしていますか。
引退を決めてから発表までが自分の中では結構長く感じていたのですが、会見でファンの方たちが知った瞬間、もう後には引けなくなったなという思いと、自分が会見で話した言葉を聞いて、ファンの方から「沙希ちゃんらしい」とか「やめてほしくはないけれど自分の思うままの引退ロードを進んでほしい」という声を多くもらったので、ちゃんと背筋伸ばして皆さんの思う赤井沙希の姿と自分の思うレスラー像をリンクさせて、引退まで走り抜けたいと思います。
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――会見では、DDTプロレスの高木三四郎社長の「引退してもDDTの家族の一員だから」という言葉に涙される場面もありましたね。
会見では絶対に泣かないと決めていたのですが、身内の言葉にやられましたね(笑)。マスコミの方に「ファンの方も見ていらっしゃいますが…」と言われた時も、ファンの皆さんの顔が頭によぎって涙が止まらなかったです。
――引退について、お父様の赤井英和さんやご家族とは何かお話されましたか。
母親は「会見は立派だったし、綺麗だったよ」と言ってくれました。父親には会見後すぐにシンガポール遠征に出てしまったこともあって、まだ伝えられていないんです。父は元ボクサーで「戦い」という同じジャンルの先輩でもあるので、機会を見て伝えられたらいいなと思います。
――8月に発売する“引退メモリアル写真集”について教えてください。
今のこの時代に赤井沙希というプロレスラーがいたということを形として、みんなの記憶として残したくて、この写真集を作りました。DDTの道場やリングで練習風景やコスチューム姿で撮ったり、葉山に行って柔らかな光の中でフルーツを食べたり、プールサイドで水着姿で横たわっていたり、リラックスしたワンピースを着て散歩しているカットがあったり、昼と夜で全く違うリアルな私の姿を楽しんでもらえる作品になっています。
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――水着姿のほか、ベッドシーンやバスルームでの大胆ショットにも挑戦されたそうですね。
はい、ベッドシーンは朝の風景という感じで少し幼い表情も見られますし、バスルームではこんなに密着する布があるんだというくらい薄い紙のような素材でできたキャミソールを着て、びしょ濡れで体のラインがすごく出ているカットもあります。太ももの部分の切れ込みがあばら骨の位置くらいまである水着も初めて着ましたし、肌の露出は今までで1番多いと思います。この作品で自分の新たな一面が見られましたし、綺麗に撮ってもらえたので、すごく嬉しいです。
――注目して見てほしいポイントは?
腹筋とお尻に注目して見てほしいです。私はお腹と背中はトレーニングをしてバキバキに割れているのですが、それ以外の部分は女性らしい丸みがある体が好きなので、ムチムチのところは全然ムチムチなんです。お尻も鍛え上げたお尻ではなくて、女性らしさを残しているので、そのギャップも見てほしいです。
――ロケで印象に残っていることはありますか。
撮影の裏の部分になりますが、ケータリングがサラダチキンとプロテインとゆで卵ばかりだったので、それが笑えました。アイドルやアーティストさんが撮影する時のケータリングはマカロンとか一口チョコとか可愛らしいものだと思うので、えっ!スタッフさん、いじってる?と思いながら(笑)、すごくテンション上がって「これ、タンパク質20も入っているやん!」と言ったりして大喜びしました。
――今後もグラビアに挑戦したり、写真集を出したい気持ちはありますか?
ないです。芸能のお仕事は引き続き活動させていただくのですが、グラビアアイドルとして活動していくわけではないので、これが最後の写真集になると思って作りました。
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――貴重な写真集になるのですね。まだ引退まで少し時間はありますが、引退後はどんな未来像を描かれているのでしょうか。
正直、引退後のことはまだ考えられていなくて、引退後は寂しくなるのか、抜け殻になってしまうのかというのが想像できないので、なってみないとわからないですね。人生の大半の時間、人のことを殴って人に殴られてきたので、普通になりたいけれど普通になるのが怖いなという思いもあります。ただ、もし俳優業をやらせていただくことになったら、アクションシーンはスタントなしでいけるので、制作の方は経費削減になるんじゃないかなと思います(笑)。
――最後にファンの方にメッセージをお願いします。
以前、写真集を出した時は21歳だったので、10年間プロレスをやってきた今の自分を形として残したいなと思いました。全ての感謝の意味を込めて撮影に挑んだので、この気持ちを受け取ってもらえたら嬉しいです。