『JAPAN CAT SHOW 2023』レポート
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『JAPAN CAT SHOW 2023』では、厳しい審査基準をもとに品評するキャットショーブースだけでなく、猫の健康、生活に関するセミナーやイベントブースが設けられており、キャットオーナーとして必要とされる知識やテクニックを学ぶことができる。ベテランキャットオーナーはもちろん、初心者オーナーには不安の解消につながる情報を得ることができるかもしれない。
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例えばロイヤルカナンのブースを覗くと、『「猫の真の健康」を学び、実践する』をテーマにクイズに挑戦、知識豊かなキャットオーナーを目指すクイズラリーを実施していた。ここでは、7つのクイズに答えて進むなか、うんちでわかる猫の健康状態を確認できたり、月齢にあわせた最適なキャットフード診断も行えた。他にも15分間隔で開催されたミニセミナーでは、猫のおなかの話や食性についての役立つ情報をクイズを交えて聞くことができた。
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買い物エリアのラインナップも充実している。猫の顔がデザインされたマグカップや猫型の箸置き、愛猫の写真を送って作るオリジナルのスマホケースやバッグなど猫好きが喜びそうなアイテムが並び、愛猫の等身大サイズのクッションをオーダーできるブースもあった。他にも種類や毛並みに応じてチョイスできるシャンプー・トリートメント、部屋にいながら散歩気分を味わえる紙製のトンネルや、段ボールで作られたキャットタワーも販売されていた。愛猫が夢中になって遊んでくれる、ふわふわでカラフルな羽根付き猫じゃらしから、一人遊び用の電動タイプじゃらしなど手に取って選ぶことができた。
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猫への愛があふれたプロ顔負けの写真がずらりと集まったフォトコンテストブース。こちらでは、応募総数過去最多の1,392作品から最終審査に選ばれた約70点の作品が展示されていた。
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ステージイベントでのプログラムには、東京猫医療センターの院長を長年務め、猫の専門医療に携わる獣医師・服部幸先生による「下部尿路疾患」についての登壇も。おしっこに血が混ざる、トイレに行ってもおしっこが出ないなど猫に多い症状をテーマに、病気のサインを見逃さずに健康を管理するコツなどが解説され、日頃のケアを見直すきっかけになる内容となった。他にもペトグラファー・小川晃氏のスマホで可愛く愛猫を撮影するコツをレクチャーするターンもあり、動きまわる活発な猫を撮影することに一苦労している方へのアドバイスや、グッズを使用した魅力的な写真撮影の紹介も行われ、日常に取り入れやすい発見や学びが多くみられた。
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キャットショー終盤は、メインイベントともいうべき猫の表彰式があり、各団体の Kitten(子猫)クラスの表彰式も行われた。TICAの表彰式では、上位10頭がTICA貝塚氏の解説のもと発表された。選出された猫たちは、脚が短く、丸い輪郭と大きく丸い目のミヌエット、ギリシャ彫刻のようなワイルドなメインクーン、ボディとしっぽの長さ、ヘッドのバランスに優れたサイベリアンなどが集まった。生後七か月には見えない大きくふさふさな毛並みが高評価となったノルウェージャンフォレストの男の子が2位、そして1位にはまるで豹のようなベンガルの男の子が選ばれた。筋肉質で輝くコートとゴージャスなパターンが目を引くワイルドな1位の猫に、客席の多くは目を奪われただろう。
審査員たちは、各猫種の個性や特徴が細かく記されたスタンダードブックを基準に、各審査員が柔軟な審査ができる許容も持ち合わせたかたちでジャッジしているとう。ボディ、コート、ヘッドなど猫種ごとの審査基準に沿って1分ほどで見極めていくとのことである。
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