「楽しいお方も~」……曲の出だしから納得がいかず、何度も止めては繰り返し歌のレッスンをする羽鳥善一(草彅剛)。困惑し、どうやって歌えばいいかを問うスズ子に羽鳥は、自分が楽しければいいんだと説明する。別のことばでは「バドジズすればいい」とも。
なかなか思い通りに歌ってくれないスズ子に羽鳥は「楽しくないな~、本番もう少しだよ。大阪帰る?」とやんわり問いかける。そして「君は一体どんな歌手になりたいんだい?」と。スズ子は、自分の目標は大和礼子さんと答える。しかしこれに羽鳥は「なるほど、確かに彼女は素晴らしい歌手でダンサーだった。でも大和礼子さんは一人で十分だ。二人はいらないよ」「福来君は福来スズ子を作らなきゃいけないんじゃないかな」と話す。
一方、スズ子を見つけ出し東京に連れてきた演出家の松永(新納慎也)は、歌うスズ子を見ていると「歌わされているんじゃなくて歌うことが大好きに見え」わくわくしたと、スズ子の歌を聴いたときの思いを話す。これにスズ子は「今は大嫌いになりそうです、歌も羽鳥先生も…」と正直に告白すると、松永は笑いながら「その気持ちで歌えばいい」とすすめる。
この日、羽鳥の自宅を訪問したスズ子は、この松永の言葉を思い出し、その気持ちのままに歌う。これには羽鳥も驚き、ようやく最後まで歌わせることができた。
誰かの真似をするのではなく、自らが楽しく歌う。それが聴いてている人もワクワクさせる。ようやく歌詞のバドジズの意味がわかってきた?スズ子だった。
第30話の明日はスズ子と秋山の恋も見え隠れ。歌うコツを掴んだスズ子は、羽鳥善一(草彅剛)とのレッスンを続け、その歌声はぐんと熱を帯びてきていた。そんなスズ子を励ます松永(新納慎也)は、スズ子のおでこにキスをする。スズ子は、松永を意識し始めるのだった…。一方、秋山(伊原六花)もダンサーの中山(小栗基裕)のことが気になり始めていた…。稽古に、そして恋に、もがいて迎える梅丸楽劇団旗揚げ公演「スウィング・タイム」初日。幕が上がる。