ナム・ジュヒョクの表情演技が際立つ韓国ドラマ『ヴィジランテ』いよいよ佳境に | RBB TODAY

ナム・ジュヒョクの表情演技が際立つ韓国ドラマ『ヴィジランテ』いよいよ佳境に

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『ヴィジランテ』ディズニープラス スターで独占配信中 (c) 2023 Disney and its related entities(全8話/毎週水曜2話ずつ配信)
『ヴィジランテ』ディズニープラス スターで独占配信中 (c) 2023 Disney and its related entities(全8話/毎週水曜2話ずつ配信) 全 5 枚
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 ディズニープラス スターにて、韓国ドラマ『ヴィジランテ』が全8話のうち6話まで配信され、いよいよ佳境へと突入。主人公の心情が変化しつつあったり、新たなキャラクターも登場したり、未登場キャラクターがいる可能性が出てきたりと、果たして残り2話で完結するのか? 5・6話の内容をざっと振り返りつつ、起こりうる結末について予想してみた。
(以下、ネタバレあり)

■筆者プロフィール
山根由佳
編集者・校正士・写真家のマネージャーなど複数の草鞋を履くフリーライターであり、海外ドラマ&映画の熱狂的ウォッチャー。観たい作品数に対して時間が圧倒的に足りないことが悩み。ホラー、コメディ、サスペンス、ヒューマンドラマが好き。X(Twitter):@ymndayo


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巨悪を目前に揃っていく足並み



『ヴィジランテ』ディズニープラス スターで独占配信中 (c) 2023 Disney and its related entities(全8話/毎週水曜2話ずつ配信)


 広域捜査隊捜査チーム長チョ・ホン(ユ・ジテ)に正体がバレ、警告を受けたヴィジランテことキム・ジヨン(ナム・ジュヒョク)。一方、「ルポ25時」記者チェ・ミリョ(キム・ソジン)は様々な疑惑を持つセウル未来資源を調査するため、同社告発前に殺された俳優ヨン・ジェハクとの当初の待ち合わせ場所へ向かう。そこは違法サーバーが大量に陳列された倉庫であり、仮想通貨QQコインの採掘が行なわれていた。

 「ルポ25時」では、QQコインを通じた直近の不正取引疑惑をセウルに紐付け、また同社と結託する“ネズミ”が警視総監オム・ジェヒョプである可能性が高いと報道。当然ながらミリョは命を狙われるが、「ヴィジランテに餌を与えるな」と警告しにきたホンによって救われる。ホンはミリョを襲った男が直前にいた場所へと車を走らせ、その場にいたチンピラたちを一網打尽に。彼らはセウルのキム会長の手下だったが、「ヴィジランテが暴力組織を結成し工場で死体を処理していた」とあえて誤った情報を公表し、ヴィジランテの評判を地に落とす。

 しかし、ジヨンはやめない。セウルの帳簿を管理していた前科7犯の悪人を殺害し、“本物のヴィジランテはここにいる”と世間にアピール。ホンに半殺しにされるが、ついに模倣犯チョ・ガンオク(イ・ジュニョク)との対面も果たし、手を組むことに。テレビ局を解雇されたミリョは、ガンオクによる支援のもとインターネット放送局を立ち上げ、間接的にヴィジランテと協力体制を築いていく。

『ヴィジランテ』ディズニープラス スターで独占配信中 (c) 2023 Disney and its related entities(全8話/毎週水曜2話ずつ配信)


 ちなみに、前回の記事でガンオクは白黒が分からない曖昧な人物であると言及したが、数々のコミカルな振る舞いから察するに、ジヨンのように正義感が強い人間でもなく、殺人を楽しむ愉快犯でもなく、純粋なヴィジランテのファンだったようだ。たまにイカれた目つきで視聴者をドキッとさせるのはミスリードで、単に推し活に燃えているだけなのだろう。映画『マーベルズ』と言い、“推しと一緒に世界を救う”ブームが到来しているのかもしれない。

ジヨンの狂気的な面を引き出したホン


 さて、物語が進むにつれ、ジヨン演じるナム・ジョヒョクの表情演技が際立ってきた。同名原作コミックの1話目、ジヨンは犯罪者を手にかける際、「最高の気分だ」と不敵な笑みを浮かべていた。心の中では「これが正義だ。まるで天が俺に与えた使命のようだった」と、まさにダークヒーロー然とした発言もしている。

 対するドラマ版でジヨンが殺人を行なうシーンでは、怒りを秘めてはいるが基本的に真顔で本心が読めない。そんな彼の狂気じみた表情がやっとお披露目されたのが、ホンと対峙した時だ。ジヨンの正体を暴くも逮捕はせず妨害までに留めるホンに対し、どこか呆れているような笑い顔を見せるようになる。ホンが自身同様に殺人経験を持っていると察知して共感を覚えつつ、そんな彼と理解し合えない悲しみも感じているのだろうか。

『ヴィジランテ』ディズニープラス スターで独占配信中 (c) 2023 Disney and its related entities(全8話/毎週水曜2話ずつ配信)


 5・6話にまたぎ、殴り合いも交えて繰り広げられた2人の対話は、振り返るとチグハグであった。ジヨンの考えは、「正義だと信じていた法に守られないのなら、自らを守る権利がある」ということ。その主張の正誤をホンに尋ねるが、見当違いの答えが戻ってきてジヨンは笑う。ホンは「君が立派でも制御できなければただの狂気だ」「(君の問題点は)自分は間違っていない自信がある(と考えていること)。そんな人間は時間が経つほど怪物になる」と言っており、確かにジヨンが投げかけた問いに対する答えではない。

 しかし、彼の指摘も一理ある。実際、ジヨンの思考に変化が起こりつつある様子だからだ。元々は人知れず、被害者のため悪人成敗を始めたにも関わらず、ホンの印象操作への対抗も兼ねてセウル関連者を殺し、セウルの悪事を明るみにするため聖職者をも手にかけていた。この2人の悪事について具体的な情報は明かされなかったが、そこまでの悪人だったかどうかは怪しいところだ。

『ヴィジランテ』ディズニープラス スターで独占配信中 (c) 2023 Disney and its related entities(全8話/毎週水曜2話ずつ配信)


 ただ、ホンもやはりズレている面があり、人間の感情としてジヨンの意見には同感だが、法のもと(=警察の任務)ではそれを厳守せねばならないと譲らない。そのため、「加害者にも人権がある」といった考えではなく、ジヨンが警察組織にいながら法を犯したことに対して大罪だと捉えている。最終回の頃には、それぞれ偏った考えで暴走してしまう気がしてならない。

未登場キャラもいそうなのにあと2話!?


 最初は警察学校や報道番組で情報を仕入れ、犯罪者たちを殺害していたジヨンだったが、セウルのキム会長が殺人教唆無罪判決で釈放されたと知ってからは、ターゲットはセウル一本に。資金洗浄を担当していた信仰教会の牧師を殺害してメディアを騒がせた後、次の一手は一体どうするのか? すでにキム会長の“ネズミ”であると周知されている警視総監オム・ジェヒョプを攻めていく可能性が高いだろう。ただ、ジヨンはガンオクとの会話の中で、セウルの背後には有力な政治家がいると話している。ジェヒョプをやっつけたところで、“トカゲの尻尾切り”で諸悪の根源が逃れてしまい、続きはシーズン2へ……となるケースも考えられる。

 ちなみに、ホンはジェヒョプの部下であったが、彼との会話では終始意味深な表情を浮かべていた。「警察には無能で怠け者のくせにいい給料だけをもらう腐りきったヤツがゴロゴロいる。それが我慢ならない」とジヨンに吐き捨てていたことを踏まえると、実はジヨンとは別の角度からジェヒョプ対策を練っているのかもしれない。敵同士でありながら、ジヨンとホンが手を組む展開もありうるのかも……? あと2話でドラマが終わってしまうが、キム会長、ジェヒョプ総監、謎の政治家を潰すには尺が短すぎるような予感もしており、どう結末を迎えるのか、非常に気になるところだ。

『ヴィジランテ』
ディズニープラス スターで独占配信中
(c) 2023 Disney and its related entities
(全8話/毎週水曜2話ずつ配信)

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《山根由佳》

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