丸山礼、映画『夏目アラタの結婚』​​黒島結菜​​との共演シーンは「嫉妬、羨望、憧れが演技に入っちゃいました」 | RBB TODAY

丸山礼、映画『夏目アラタの結婚』​​黒島結菜​​との共演シーンは「嫉妬、羨望、憧れが演技に入っちゃいました」

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丸山礼【撮影:浜瀬将樹】
丸山礼【撮影:浜瀬将樹】 全 7 枚
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 柳楽優弥主演、堤幸彦が監督​​を務める映画『夏目アラタの結婚』が9月6日​​より全国公開される。

 消えた遺体を探すため、元ヤンの児童相談員・夏目アラタ(柳楽)が、死刑囚の品川真珠(黒島結菜)にプロポーズをするところから始まる本作。アラタは、毎日20分の面会で接するなかで、彼女から意外な言葉を投げかけられる。「ボク、誰も殺してないんだ」ーー。消えた遺体の行方は? 彼女は本当のことを言っているのか? 物語の結末は如何に。

 今回、そんな映画の魅力を深掘りするべく、アラタが勤める児童相談所の先輩職員・桃山香を演じる丸山礼にインタビューを行った。​​

ーー丸山さんは映画初出演だそうですね。オファーを受けたとき、どんなお気持ちでしたか?

本当に嬉しくて、ありがたくて。「私にできるのかな」という一抹の不安はありつつも「ついに来たか! 光が差し込みはじめましたよ~」みたいな高揚感がありましたね。

ーー(笑)。堤監督の世界観に触れてみていかがでしたか?

(丸山が出演する)面会室のシーンを撮っているときは「こういう配置をするんだ」、「こう作り上げるんだ。面白いな!」と興味が先に湧いたんですけど、映像にして観ると、めっちゃ堤さんワールドになっていて、たまらなく興奮しましたね! 日常にあるけど、普通はフォーカスしないところを切り抜く。そういえば自分が観てきた堤さんの作品も、こんな感じだったと感動しました。

ーー初映画の撮影現場はいかがでしたか?

食らいつく感じで演技をしていました。見かけはスンとした顔をしていたと思いますが、常に「どうしよう!」みたいな焦りはありましたね。

ーー丸山さん演じる桃山香は「アラタを心配しながらも真珠と接することで、次第に彼女に心酔する……」という役柄です。桃山香に対してどんな印象を持ちましたか?

桃ちゃんは慈悲深い子なんですよ。完全にリンクはしないかもしれないけど、彼女の「日々焦りがあるなかでも誰かのことを思いやる」という部分は、自分と似たところがあるのかなと思います。

ーー柳楽さんと接してみて、どんな印象を持ちましたか?

「なんでお笑いの道に行こうと思ったの?」とかいろいろと話しかけてくださって、めちゃくちゃ優しいし、(役とは違う)ギャップ萌えを感じる笑顔が素敵な方でした。幼いころからやられている大ベテランですが、意外とまだ30代前半と知って「ええ!? 時空歪んでない!?」と思いましたね(笑)。あと、真珠の弁護士・宮前光一を演じる中川大志さんと3人で何度か取材を受けさせていただいたんですが、​​彼らの横顔をまじまじと見られる位置に座っていたので、それが脳裏に焼きついて……寝る前に思い出しちゃいます。本当にいいキャスティングをしてもらって感謝でございます(笑)。

ーーそれは嬉しい組み合わせですね。

そうなんですよ。2人がアラタの部屋にあるソファーの角でギュウギュウになって座るシーンがあるんですが、私的には「これスクリーンで見られるの眼福だな!」って思います。

ーーキャストも豪華ですし、見どころも多そうですね。

死刑囚アイテムコレクターの藤田信吾役・​​佐藤二朗​​さんのマニアな感じも不気味でたまらなく良かったですね~。ユーモアがありながら不気味さもできて、普通のおしゃべりもして、しかもキーパーソンになる……自分も憧れますね。

ーー死刑囚役を演じる黒島さんについてはいかがですか?

黒島さんとは、最初に撮った面会シーンでしかお会いしなかったんですよ。(役作りのうえで)あまり仲良くなってもなと思ったので、極力喋らないようにしたんですけど、本当に悔しくなってきちゃって(笑)。黒島さんとは同世代なのに自分よりもすごい人生を歩んできた方なので、その嫉妬、羨望、憧れ​​が演技に入っちゃいました。「こっちだって(黒島みたいに)可愛くなりたい! 朝ドラの主役もやって、この映画もこんな立ち位置でうらやましいんだけど!」……みたいな。そんなエッセンスが入っちゃいましたね。

ーー(笑)。演技も凄まじかったですもんね。

何か月もかけて(黒島が役として装着する)マウスピースを制作されていたと聞いて、役の寄せ方がすごいなと思いました。マウスピースをつけていると、すごく喋りづらいと思うんですけど、長台詞でも感情を乗せてお芝居なさっていたので、圧倒されましたね。あと、(真珠のシーンで使用するため)スタッフさんがツナ缶とかパックのごはんを食べてゴミを作っていたらしいんですけど、(役作りの面もあってか)黒島さんも加わって食べていたそうなんです。表では見せないけど、裏でしっかり努力をなさって、それをスンとした姿で成し遂げているのは、さすがだなと思いました。

ーー丸山さんはお笑い芸人として活動をスタートしていますが、今回のように映画やドラマに出演することも増えてきました。演技の魅力ってどんなところにあると思いますか?

台本って人の心情の教科書みたいな側面があって、「この人はこう思っている」とか普段聞けないような本当の気持ちも書かれているじゃないですか。それに数多く巡り合える俳優さんたちは「生きる上で糧にしていけるもの」をたくさん得ているんだろうなと思います。自分だけの感情じゃないものを学べるという面ではバラエティーとは別だなと思いますね。

ーー現在、テレビやYouTubeなどでも活躍中ですが、将来的にやってみたいことはございますか?

ソロデビューとかミュージカルとか(笑)? でもそんなに欲張っても意味がないので、一歩ずつ階段を登っていきたいし、その一歩も何百日もかけたいぐらいです。たとえば演技でも、みなさん若いころからやられている土俵に立たないといけないので、「私、こんなことも知らないんだ!」って、そこのギャップに苦しむんですよ。でも、焦っても無駄なので、30代後半ぐらいまでには礎を築いて、ドシンと構えられる俳優さんになれたらいいなと思いますね。

こうした演技の場所に来ると、大変さを学んできたつもりだったのに分からないことだらけで……。今回、助けていただく面が多かったので、申し訳ない気持ちもありつつ「次こそはできていたい!」という向上心が湧いたのは、すごくいいことだなと思います。

ーー最後に丸山さんなりの注目してほしいシーンを教えてください。

桃ちゃんと真珠が面会室で対峙するシーンですね。そのシーンは、周りの方や黒島さんが目の前にいるおかげで、「私の演技人生ですごい1ページが出来上がった」と思うくらいの出来栄えになったと思います。「泣く」という台本はなかったんですけど、プルプル震えて泣きそうになっていたら、堤さんが「涙を流したかったら流していいですよ。流せますか」と聞いてくださって。じゃあちょっと失礼して……と(シーンの中で)涙を流しました。そこまで追い詰めてくれる環境も場所も雰囲気もそうですし、「ものづくりって巧妙で繊細でこんなに面白いんだ」とすごく感じたので、そこは絶対見てほしいシーンですね。

『夏目アラタの結婚』
公開:9月6日 (金) 全国ロードショー
配給:ワーナー・ブラザース映画
(c)乃木坂太郎/小学館 (c)2024 映画「夏目アラタの結婚」製作委員会

《浜瀬将樹》

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